☆abmz 世界のすべて(阿水※社会人パラレル) ※社会人パラレルです。 ↓大丈夫な方のみどうぞ^^ 世間はクリスマス一色。 俺はたくさんの人々が行き交う中、 よく待ち合わせに使われそうな一際目立つ建物に凭れ、恋人を待っていた。 待ち合わせたはずの恋人はもう30分遅れていた。 「…はぁ。」 一つ溜め息をつき、目の前を通り過ぎる人波に目をやる。 やっぱクリスマスだけあってカップルが目立つな。 そんなカップルたちの様子を見ながら、ふと恋人と付き合い始めた頃を思い出していた。 あの頃は全てが初めてで…。 風邪を引いて休んでしまったお前にどうしても会いたくて、授業をサボって家まで見舞いに行った事も。 デートがしたいと言うお前の為に、こっそりデートプランを考えた事も。 声が聞きたくて夜中に電話した事も。 嫉妬したのも。 人目を盗んでしたキスも。 こんなに人を好きになったのも。 俺の世界の全てがお前だった。 「阿部ー、お待たせぇー!」 手を振り、息を弾ませ駆け足で近づいてくる一人の男。 水谷文貴。 待ち合わせの相手、つまり俺の恋人。 「遅ぇ。」 「ごめんって!残業で…。」 肩で息をしながら、目の前で手を合わせて謝る水谷。 急いで来てくれたんだよな…。 それが分かっただけで、鼻頭や頬を赤くしてる姿が愛おしく思えてくる。 結局俺はコイツにベタ惚れなんだ。 「どーせトロトロ仕事してたんだろ。」 なんて憎まれ口しか叩けない自分がたまに嫌になる。 「ちがうよ!帰ろうとしたら捕まっちゃって…、 今日は阿部と約束してたから、いつもより頑張って早く終わらせたのに。」 口を尖らせ膨れる姿も可愛くて、今すぐ抱き締めたい衝動に駆られる。 「…あっそ。」 ほらまた…素直じゃねぇよな、俺…。 コイツはこんなにも素直なのに。 「はい!これあげるから機嫌直して?」 首を傾げながら微笑み、紙袋を俺に突き出した。 「……これ…。」 俺が突き出された紙袋を見つめながら指を差すと、 「クリスマスプレゼント!」 嬉しそうに笑った。 「あー…、サンキュー。」 「どーいたしましてー。」 コイツからのプレゼントは初めてではないけれど、 嬉しくて涙が出そうになった。 啜った鼻水は寒さの所為にして。 「…じゃ、行くか。店予約してあるし。」 「おー!」 俺だって、プレゼントの準備くらいしてる。 だけどコレはまだ渡す時じゃない。 密かに企んで、何度もシュミレーションした。 最高のタイミングでお前に渡そう。 喜んでくれるだろうか…。 俺は、 ポケットの中の小さな箱をぎゅっと握りしめた。 END? 初のパラレル! 苦手だったけど、意外に抵抗なくなったかも… 続き書けるといいんですけど(;^_^A 一応、私的阿部誕祝いですv クリスマスネタですけど(笑) 08.12.11 [*前へ][次へ#] [戻る] |