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一年の計は元旦にあり




「う…」



冬の夜明け特有の冷えきった空気と頬に当たる硬い感触に刺激されて目が覚めた。ゆっくり瞼をあけると毎朝の見なれたものではない風景が。
あれ…、布団の中じゃない?
昨日の記憶を必死に手繰り寄せる。
昨日は夜中に、銀時、新八くん、神楽ちゃん、私の四人で初詣行って、屋台で天津甘栗買って帰って、子供二人が寝ちゃったからビール持ってきて、二人で甘栗を肴に……あ、そのまま酔っ払って寝ちゃったんだ、しかもコタツに突っ伏して。

あーあ、やっちゃったよコレ。朝ものっそい寒いんだよね、背中痛いし首も痛いし、あっヤバい首回んないぞコレ。なんでこんな無理な体勢で寝るんだよ自分。もう私、今年の抱負『コタツの誘惑に負けて無理な体勢で寝ない』だな。


ぼんやりと寝ぼけた頭でいろいろ考えていたが、コタツの上に散乱した昨日の残骸に気付いてしまった。これかたずけてから布団で寝ようと思い、突っ伏したままだった体を起こす…のだがそれはできない。何か背中に重いものが乗っているみたいだ。というか、アレ?なんか背中が暖かい?むしろ顔以外全部暖かい?

背中の重さの正体を確認するため、回らない首をできる限りまで動かした。



(あ、銀時だ…)



頬に当たるふわふわの感触と視界の端に見える銀色。銀時が後ろから私を抱きしめるような状態で寝ていた。
よくよく自分を見てみると、何枚もの毛布に包まれている。銀時が寒くないようにと毛布をかけてくれたのだ。
私と銀時の間には毛布は一枚もない。着物越しに背中から響く鼓動と伝わる体温が心地よくて銀時にすりよると手をぎゅっと握りかえしてきた。見ると、私の手にはひとまわり大きい銀時の手だけが重ねられている。私の手は銀時のおかげで暖かいけれど、その銀時の手は冷たい空気に触れて冷えきってしまっていた。

この光景に申し訳なさと、何よりどうしようもないくらいの愛おしさがこみ上げてくる。手を寒さから守るものがなくて自分の手を重ねたのだろうか。銀時のこういう優しさに愛されてるなあと改めて感じた。今年も、私はますます銀時のことを大好きになっていくんだろう。このあたたかさに少し泣きそうになりながら、銀時の手をぎゅっと握った。





「銀時起きて、ここじゃ寒いから布団で一緒に寝よう」












一年の計は元旦にあり
(今年最初の幸せは、銀時の鼓動とあたたかさ)

















20080101 あけましておめでとうございます^^





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