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気付いて、番長!
夢のよう



どさり、と身体を押し倒せば、熱のこもった目で見上げられる。潤み、期待に揺れるその目にごくりと唾を飲み込んだ。

「裕、」

名前を呼べば、ベッドに押し倒された裕はにこり、と微笑んで、唇を動かした。

 すき。

その短い言葉に、俺は噛みつくようにキスをした。長年夢見たその感触は暖かくて、想像よりも柔らかくて、そして甘い。互いの舌が絡み合って、飲みきれない唾液が顎を伝った。
首に腕を回され、俺も裕の身体を抱きしめる。そのままTシャツに手を入れ、熱い肌を撫でた。

「・・・裕」

ちゅっと唇を放し、至近距離で裕を見つめれば、裕も俺を見つめ返してきた。

「俺・・・幸せだ、すっげぇ・・・嬉しい」

そう言い終えないうちに、視界がぼやける。やばい、泣きそうだ。
裕はきょとんとした顔をしたが、俺の頭を撫でて、照れたように笑った。柔らかいその笑顔に、俺もつられて笑う。

「夢、みたいだ。裕とこんな風になる日が来るなんて・・・」

そういうと、裕はばかだな、と俺の頭を掴み、ちゅっと触れるだけのキスをしてきた。
俺も目を閉じて、もう一回、と顔を寄せようとした、その時。

「夢に決まってるだろ」

裕がぺしん、と額を軽く叩いてきた。驚いて目を開ければ、裕が俺の襟首を持って力強く引き倒した。

「え・・・」

ぐるりと視界が反転して、次の瞬間、後頭部に鈍痛が走った。



自分の部屋の白い壁が広がっていた。頭の後ろに恐る恐る手を伸ばせば、そこにあったのは頭上に置いてあったはずの携帯。どうやらそれが落ちて頭に当たった様で、じんじんと痛む。

「は・・・夢・・・」

むくりと身体を起こし、ちかちかライトの点滅する携帯を開く。アラームのとっくに切れたその携帯にはアプリケーションを介したメールが一件。相手は、夢の中で恋人になったはずの、裕。
ただし、ただの夢だったわけだが。

「ノート忘れたから持って来てー・・・」

お願い!と可愛らしく顔文字の入ったそれに、画面を操作して返信をする。

 付き合ってくれたら考える。

そう返し、待つ事数秒。既読の印が入り、すぐさま返信がくる。

 買い物?どこ行きたいんだ?
(^O^)大学終わったら付き合うよ!!

「・・・クソ鈍感が・・・」

深い深いため息を吐いて、がっくりと肩を落とす。だが、これもデートだろう、と気を取り直して返信をしながらベッドから降りた。

「でもぜってぇ落とす・・・」

ぼそりと呟いて、送信ボタンを押した。





(そう誓ってから、もう何年?)





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