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双子の宴
<番外編>迅‐2

温め/カメラ/羞恥/バイブ/放置






白いシーツを身体に巻きつけた迅は、ぼんやりとした頭で部屋を見渡していた。鎖が数本ぶら下がる天井は白く、シミの一つも見当たらない。壁には鞭やらバイブやらが置かれた棚や、X型の拘束板、変形椅子など、さまざまな「そのために使用されるモノ」が置かれている。嵌め殺しの窓に引かれたカーテンからは光が射しており、時計の無いこの部屋では正確な時間は判らないが、おそらく昼ごろだと思う。

なぜか目が覚めた時、後ろと前に押し込められていたバイブは抜かれており、ベットヘッドから伸びる革製の手錠からも解放されていた。つまりは今、迅は自由の身だったが、今彼の頭にはここから出ることは欠片も考えていなかった。

部屋を目で一巡してから、注がれる視線はただ一転。白い扉に付けられたドアノブ。それが動くのを、迅はただひたすら見つめていた。

時間にして数分、穴が開くのではないかと思う程、微動だにせず見つめていたソレが、かちゃり、と音を立てて動き、扉が開いた。入ってきたのはスーツ姿の40代の男性。

「やぁ、起きていたのかい?」
「、十一、さん」

暖かな笑顔を浮かべる男性の名を、熱の籠った声で呼び、しゅるりとシーツを落としながらベッドから降りてふらふらと近づく。赤い鬱血が身体のいたるところに付けられ、性器を恥ずかしげも無く晒したまま、十一の傍に歩き、そしてぎゅうっと抱きついた。
十一は柔らかな笑みを浮かべたまま、頭を撫でてやる。

「寂しくさせちゃったかな」
「・・・んな、ことない・・・」

胸に顔をうずめたまま、頭を振る。だが一向に離れる気配のない迅の耳を弄る。くすぐったいのか、身体を揺らした。
十一は笑いながら手を下ろして行く。首筋を撫で、背中を擦り、そして尻たぶを揉むように撫でる。期待からか、触っていもいない迅の性器は少しずつ硬さを帯びて行く。

「さぁ、ベッドへ行こうか」

耳元でそう囁く。迅は頬を真っ赤に染め、こくんと頷いた。



「あ、ふぁ、あああ・・・」

うつ伏せになり、尻を十一に突き出すように高く揚げ、両手で尻たぶを掴み、左右に広げる。己の恥ずかしい部分を自分からさらけ出すその格好に迅は甘い息を吐き出した。
十一はスーツの上着を脱いでベッドに上がり、晒された蕾に指を伸ばして上下に擦った。

「んっ」

くすぐったいような、もどかしいような感覚に唇を噛む。十一は無言のまま上下に擦り、時折カリッと爪を閉じたそこにひっかけ、皺をなぞったりしたが、中に入れることはしない。
じれったいその刺激に迅は背中をゾクゾクとさせ、無意識に誘うように腰が揺れだす。

「十一さん・・・」
「ん?どうしたんだい?」

首を捻り視線で訴えるが、十一は首をこてりと傾げただけで、緩い刺激を続ける。迅は泣きそうな顔をしながら訴える。

「や、そんな、ばっか・・・中、弄って・・・」

腰が揺れるのを止めることができない。その様子に目を細め、口元に笑みを浮かべ

「あっ!」

くちゅりと指先を入れる。待ち望んだ刺激にきゅっと足の指が丸まり、十一の指を締め付けた。

「あっ、いい、気持ち良いっ」
「まだ一本だよ?」
「いい、十一さんの、指なら、ぁっ!」

前立腺を時折掠めて奥まで入り込み、また掠めてぎりぎりまで抜く。その時折掠める刺激が気持ち良くて、迅は尻を掴む手に力を込める。
やがて十一は指を一気に3本に増やして挿入したが、毎日拡張され続けたそこは自然に潤み、躊躇いなく飲み込んだ。

「あぅ・・・はぁ、ん」

太くなった分押し広げられ、それすらも快感として迅の身体は受け止める。十一はしばらく肉筒を広げるようにかき回していたが、おもむろに指を引き抜き、迅の腕を引いた。

「あ、ぅ?なんで・・・」
「今日はちょっと見せたいものがあるんだ」

そう言って立ち上がらせ、置いてある椅子の一つに座らせた。それは肘掛だけでなく、片足ずつを乗せる部位までついた、座位分娩用の椅子。ただし世間一般で使われるそれとは違うのは、両手両足を拘束する鎖と革ベルトが付いている所。

そこに迅を座らせて拘束具を嵌め、十一は後ろの机に置かれたプロジェクターの電源を入れ、部屋の電気を消す。するとプロジェクターから光が漏れ、迅の前の白い壁に黒い光景が映る。不思議に思っていると十一は棚から持って来た銀色のトレイを足元に置き、開かれた足の間に座った。

十一は椅子に固定されている細い管を手に取り、不安げに見下ろす迅に見せた。

「これ、何かわかるかい?」

聞かれ、フルフルと首を振る。十一はその管の先端に取り付けられたキャップを外し、もう一度迅に見せる。

「え・・」

すると視界に大きく映ったのは、迅の顔。

「え、え?なに・・・」
「これにはね、医療でも使われる小型カメラとライトが先端に内蔵されているんだよ。迅くんは映像を見ていて」

そう言われ、不安な気持ちのまま顔をあげる。画面はゆっくりと迅の身体を下り、興奮で立ち上がりはじめたペニスを映し、その下へ。

「っいやぁ・・・」

そこに映ったのはひくひくと期待に蠢く、ピンク色の秘穴。見た事の無い自分のそこを画面いっぱいに映され、羞恥に頬がカッと染まる。だがそこから目を背けたりはしない。
十一の命令は絶対なのだから。

「綺麗だろう?さっきもここが私の指を咥えこんでいたのに、綺麗なピンク色をして、きゅっと閉じて。本当に迅くんのここは素晴らしいよ」

画面に現れたのは3本の指。それが秘穴を撫で、ちゅぷんと飲み込まれる。

「あ、あぁ・・・」

もぐもぐと咀嚼するように蠢く入り口を見つめながら、中で蠢く十一の指の形を、そして微弱な快感をも鮮明に感じ取る。時折ばらばらに動かされ、皺が指によって伸縮を繰り返す。しばらく十一は楽しんだ後、指を引き抜いた。かすかに見えたピンク色の内部に息を詰める。

だがそれも束の間、トレイから鳥のくちばしのような鈍い銀色のものをあてがい、中に挿入した。漏斗のようにも見えるそれを入れれるだけ入れると、その下にあるネジを回し、ゆっくりと、大きく広げだした。

「!いや、あぁ・・・!!」

普段外気にさらされる事の無い部位に、空気が流れ込んで着る感覚と、十一の手によってくっぱりと開かれていくそこに恥ずかしさのあまり涙がこぼれる。

「十一さ、恥ずかしい・・・!」

震える声で訴えると、開けるだけ開いたそこに管を入れられた。ピンク色の、グネグネと襞が蠢き、腸液がてらてらと光っている。

「いやぁぁぁ・・・!」
「見えるかな?この襞がいつも絡まって離そうとしないんだよ」

中に押し進められ、ねちゃねちゃという音でも聞こえてきそうなほど、そこは蠢いていた。初めて見るそこの卑猥さに何も言えず、ただ伸縮を繰り返すそこから目が離せない。

「綺麗だろう?迅くんは本当にこんなにも綺麗なんだよ」

そう言って指が入ってきて、管の先端付近の上壁をくんっと押し上げた。びりりっと快感が走り、嬌声が上がる。

「ここが前立腺。ここ、大好きだよね?」
「あぅぅ!好きっ!あ、あんっ!!」

トントンと叩くように触られ、その度に拘束されたままの足がぴくっぴくっと動く。擦られるよりも相当緩い刺激なのに、触られる様子が分かるせいなのか、微弱な刺激ですらも快感を拾い上げてしまう。

十一は指を引き抜き、アナルを固定していたクスコを外した。途端に画面に映る壁がきゅううと狭まり、違和感とくすぶった快感だけが残った。迅はひくひくと動く壁を見つめ、いやらしい気分が募る。そして最後につる、と管が引き抜かれ、閉ざしきらないソコが開閉を繰り返していた。

そして次は何をされるのだろう、と期待をして画面を見つめる。だが画面はプツンと消え、代わりに十一の顔が視界いっぱいに広がった。

「迅くん、すまないね。実は今日はこれ以上、迅くんにシてあげられる時間が無いんだ」
「え・・・」

頬を優しく撫でながら告げられた言葉に、迅の目が不安で揺れた。

「本当はもっといやらしい所を隅々まで見せてあげたかったんだけれど、どうにも外せられない用事が出来てしまってね・・・すまない」
「っ、行かないで!」

身体を前のめりにして腕を伸ばそうとするが、それを許さない拘束具からがちゃんっ!と大きな音が鳴る。

「いやだっ!行かないでっ!!俺を置いて行かないでっ!!」

不安の色を露わにした目から涙が零れる。ついこの間まで、触れたことも無い多くの愛情を十一から注がれた今の迅にとって、十一に捨てられることは何にも耐えがたい恐怖になっていた。

「もっといい子になるから!なんだってするから!お願い捨てないでっ!!」

悲鳴のような告白に十一は微笑み、目尻にキスを落とし、頭を撫でた。

「分かってるよ、私が迅くんを捨てるわけがない」

そう言って再び足元に移動し、閉じきらないそこに革のベルトが4本ついたバイブを突き入れた。

「ぁあ、ああっ!!!」

ベルトを両太ももに巻きつけて固定し、尿道バイブを沈めた。毎日のように入れられ続けたせいか、痛みを感じず、視界がチカチカとするほどの快感が襲う。
そして立ち上がっている乳首にも押しつぶすようにローターを乗せ、テープで留める。
十一は迅の頬にキスを落とし、カメラを用意し、迅から少し離れたところに設置した。期待からか、荒い息を吐く迅はその様子を見つめていると、おもむろに壁に再び映像が映る。
そこに映るのは、拘束されて足を広げて椅子に座り、恥ずかしい所にバイブを挿入され、蜜を垂らす自分の全体像だった。

「っ・・・!!!」

その恥ずかしい姿にゾクリと身体を震わせると、手元のリモコンを操作して、すべての玩具の電源を入れた。

「ひ、ああっ!?なに、これっえぇ!!きもちっいいのっぉ、ぁあああーー!!」

自分が玩具に犯されるその姿に興奮を覚え、いつも以上の速さで絶頂を迎える。だが尿道に刺さったバイブのせいで熱を吐き出すことは出来ず、ただ終わりのない絶頂感に喉をのけぞらせて喘いだ。

「それじゃ、戻るまでいい子でね」

頭を撫でて告げると、ガクガクと頷き、身体を震わせ再び絶頂に達する。それを見て微笑み、十一は上着を持って外に出た。

「あーーー!!!またいぐっいく、ぅうう!!ひもひぃ、ひぃぃ!!もっろぉ、もっとおぉ、ああああああああーー!!!」





「親父ぃ、今の派手な声、新しい奴隷かー?」
「奴隷なんて失敬な。可愛い人形さ」
「人形ねぇ・・・噛みつく人形はいらねぇなー」
「噛みつかないように調教するんだろう」
「調教なんて失敬な。愛情を教えているだけさ」
「「一緒だろう」」






(愛情を注げば人は変われるのさ)





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