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双子の宴
悪夢

拘束/射精禁止/バイブ/言葉責め





目が覚めた瞬間から、悪夢は始まっていた。ベッドに寝かされたまま、四肢は固いベルトで大の字に拘束され、身動きの取れないまま何日も犯されていた。

「があぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

猿轡を噛まされたままの口からは、意味のある言葉を発することはできない。ただ苦痛と快楽から生まれる、自分ではコントロールの出来ない声を発するだけ。
この状態にしているのは、椅子座る、眼鏡をかけた20代ほどの男だ。眉ひとつ動かさず、口に笑みを浮かべるのでもなく、ただ淡々と瘤のついた紫色のバイブをアナルに押し込み、抜き差しを繰り返していた。

「ああああああああああ!!!」
「あんなに、そんなものは入らない、などと喚いていたのに、たかだか10分抉られているだけでヨがるなんて」

淫乱。と切り捨てるように言い放ちながら、おもむろにクンッと上に押し当てば、前立腺に当たったのだろう、男は目を剥いて身体をはね上げた。
ガチャガチャと拘束具が音を立てるが、外れる気配は無く、それでも与え続けられる強烈な快感から逃げようと必死にもがく。

「ぐうああううううう!!」

青年は前立腺に押し当てたまま、バイブをぐりぐりと当てる。

「苦しいだろう?辛いだろう?だがダメだ、俺の時は決してイかせてはやらない」

そう言って、パンパンに腫れ上がった睾丸を揉む。男は涙を流しながら青年を見るが、青年は冷たい目で見返すだけだ。

「安心しろ、出せなくてもきちんと壊してやるから」

そう言って睾丸の上、ペニスの根元にはまり、射精を強制的にとめているリングをなぞる。

「この間の奴は蝋燭をここに垂らしただけでイき狂ったから、別の方法を考えるか・・・そうだな、鞭がいいか?鞭の甘さを刻み付けた後に、さらにその上から蝋燭を垂らしてやろうか。それとも延々とバイブで前立腺を叩きつづけてみるか?何時間で壊れるか、やってみる価値はあるかもしれんな」
「チンコ壊れたら楽しみなくなんねぇ?」

別の声が聞こえ、男はビクリと身体を震わせる。一方青年はグチュリと再びバイブを押し込め、声のした方向に目を向ける。

「俺だったらイきまくってイきまくって、もう嫌だってなるのが楽しいんだけど」

お前もそうだろ?と男の顔を覗き込む。視界に現れたのは、先程から男を玩具で犯し続ける青年と、瓜二つの青年。ただ眼鏡はかけておらず、髪はスポーツ刈り、満面の笑顔という、対照的な青年ではあるが。
だが男は、玩具で犯す青年よりも、この青年の方が恐怖の対象だった。

「、てーかさ、出て来てんじゃん」

覗き込むのに飽きたのか、もう一人の青年のほうに移動した彼はそう溢す。みれば、押し込められたバイブとアナルの隙間から、奥に流し込まれていた白濁液がわずかに泡立って出て来ていた。

「いつのだろーな、昨日か?一昨日か?」
「お前が出しに出しまくった日だろう」
「あー、だめだわそれ毎日だわ」

そう言って青年は、椅子に座る青年の顎をくっと持ち上げ、身体を折って唇を重ねる。一方の青年は軽く目を伏せたままで、唇が離れた後に「どうした」と動揺することもなく問い返した。

「んー、キノトの味が恋しくなったからー」
「・・・ふん」

鼻で笑い、首に腕を回し、こんどはキノトと呼ばれた青年から唇を重ねた。重ねるだけのものではなく、舌を差しこみ、貪るようなキスを。

くちゅ、くちゅ、としばらく音を立てて楽しみ、最後はチュッと吸い付いて離れた。

「ヤマト」
「仕事なら片付いてんよ、いこうぜ」

そう言って手を引き、キノトを立ち上がらせた青年、ヤマトは、バイブに蹂躙され続け、声を発し続ける男を見下ろす。

「お前は後でな。鞭とかローソクとかの実験の前に、そのバイブで壊れるか実験だな」

爽やかな笑顔でそう言うヤマトを横目に、キノトはプラグに刺さったコンセントを伸ばし、カチリとバイブに刺し、バイブのスイッチをあげた。
それもメモリを一気に、強へ。

それまで息を整え、ヤマトの存在におびえていた男にとって、突然の刺激。目を見開いてガチャン!と暴れる。

「ぐあああああああああああああ!!」
「色気ねぇなー」
「依頼のあった暴走族の敵対グループの総長だ。色気があったら気持ちが悪い」

あきれたように笑うヤマトと、冷たい声で言い放つキノト。
だが男の耳には二人のどちらの声も届かない。体内で暴れるものによって与えられる強烈な快感に捕らわれ、吐き出せない熱に、脳がこの状態からの解放を叫び始める。
だが、それは言葉になることはなく、また男の求める物に気づいていながらも、男から離れて行く二人。

「今回の実験は耐久レースか。暴走族の総長とやらがどれだけ持ちこたえられるか」
「まー、6時間くらいは大丈夫だろ」
「・・・まて、6時間?」
「え、いまからならそんくらいじゃねーの?」
「・・・俺が大丈夫じゃない」
「大丈夫、時間かけて解すから」

満面の笑顔で親指を立てる、同じ顔の青年に、キノトは溜息を吐き、「後処理を含めて6時間だ」と返す。
二人は男を振り返ることなく部屋を出て行く。



そうして男の前に再び現れるのは、それから約9時間後。
男の悪夢は、9時間後に再開される。
9時間の間のものとは別の恐怖と共に。




(壊れれば悪夢ではなくなるかもしれない)






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