NARUTO
2
「弥生」
耳元で低く優しく響く声
顔に熱が集中していくのがわかった
きっと私の顔は真っ赤に熟れているんだろう
「弥生」
どこまでも優しく響く声
そんな耳元で話さないで、このまま溶けていきそうになる。
「何してほしいの?」
ああ、できるならその声で私を溶かして。
カカシの声はいつもいつも優しく私に響いて、たまに泣きたくなるほどに柔らかいその声で総てを赦してもらいそうになる
自分が忍だということを忘れてしまいそうになる
「と、とりあえず放して」
「嫌だって言ったら?」
「なんで……?」
「ん―、弥生がこっち向いてくれたら放してあげる」
「…………。」
恥ずかしくて顔なんかあわせられないよ
心臓がドクドク煩い。まるで身体が心臓になったように波打っている。
カカシにまで聞こえてしまっていそうで……。
落ち着け、落ち着け自分
そっと視線だけ動かしてカカシを見た。
あぁ、ダメだ。この人に魂すべて持って行かれる気がする
ゆっくり顔を動かしてカカシに顔をむけた
そんな愛おしいものでも見るような優しい目でこっちを見ないで、馬鹿。
私だってカカシが愛おしいよ。
「ねぇ、カカシ」
「なぁに?」
「…………ぎゅと、して」
蚊のなくような声でぼそぼそっと口にだしたら、カカシはふわっと笑って私の上半身を起こすと、
ぎゅっと、ぎゅっと抱きしめてくれた。
カカシの少し速い鼓動が伝わってきて、心地よさにめをとじる
「ねぇ弥生」
「何……?」
「大好きだよ」
「…………うん」
さらにぎゅっと抱きしめてくれたあと
私たちはどちらからともなくキスをした
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