うたのプリンスさまっ
5

『待たせたね、レディ』

そう言いながら練習室に入ると
そこにいるはずの綾香の姿が見当たらない。

『ん。。。綾香。。。?』


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今日は久しぶりにゆっくりと二人きりでレッスンが出来ると思っていた矢先

執事のジョージから急に呼び出され、少し席を外さなければならなくなった。

『申し訳ないねレディ、せっかくの貴重な時間を。。。』

『神宮寺さん、大丈夫です!私は時間もたっぷりありますし
だから私の事は気にしないで下さい』

短い間でも神宮寺さんと一緒に練習出来るのは嬉しいですし、
と綾香は頬を赤らめ俯きながら、そうつぶやいた。

なぜキミはいつもそんなに愛らしい事を言ってくれるのだろか。

オレはそっと綾香の髪を撫でる。

『そんな事を言われると離れがたくたるじゃないか、レディ』

愛おしさのあまり、綾香の耳元に顔を寄せ、
その髪に軽くキスをしながら

『すまないね、すぐに終わると思うから。。。
レディ。。。イイ子で待っていてくれる?』

綾香はさらに顔を赤らめ
体を硬直させながら小さく、はぃ、と応えた。

相変わらず綾香の、免疫の無い初々しい反応を見るのは楽しい。

名残惜しい気持ちを堪えてオレは練習室を後にした。


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予定より戻りが遅くなってしまい、
綾香には少し前にメールでその旨を知らせた。

『大丈夫です、待ってますね』

という返信。

練習室に辿り着いた時は、外もすっかり暗くなっていて
電灯のがオフになっていた室内は真っ暗だった。

手探りでスイッチを探して明りを点ける。

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あきゅろす。
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