うたのプリンスさまっ
3
『えぇぇ。。。そ、そんな、恥ずかしいです、ム、ムリです。。。。』
そんな、四ノ宮さんのヒザの上だなんて絶対に無理ー!
あぁ、もうどうしよう。。。と、一瞬目を閉じたその時、
体がふわりと宙に浮いた。
え。。。?
気がつくと私は四ノ宮さんにお姫様だっこをされていた。
『全く、いけないウサちゃんですねぇ?
そんな恥ずかしがり屋さんは、こうしちゃいますからね♪』
四ノ宮さんはそのままの状態でストンと席に着いた。
『し、四ノ宮さんっっ、私、重いから大丈夫ですっ。。。!』
横抱きにされてあたふたしていると、
何言ってるんですかぁ、こんなに軽いのにー、と
クスッと笑われてしまった。
『さぁ、可愛い僕のウサギさん。。。何が食べたいですか??』
四ノ宮さんはテーブルの上のクッキーを一つ手に取ると
『ウサギさん、あーん、ですよぉ♪』
と言いながら私の口の前にクッキーを差し出した。
恥ずかしくて中々口を開けられない私は、この状況から何とか逃れたくて俯いてしまった。
『もう。。。ボクの可愛いウサギさんは本当に恥ずかしがり屋さんですねぇ』
と言ったあと、ポツリと 仕方ないですねぇとつぶやく。
すると俯いている私の口に、ふと美味しそうなバターの香りがするクッキーが触れた。
うう。。。もう食べちゃうしかないのかも。。。
と、顔を上げてクッキーを食べようとしたその時
私の目の前に現れたのは、クッキーを口移しで食べさせようとする四ノ宮さんが。。。
(。。。。!!!)
びっくりしたけれど、すでに口にはクッキー、そしてその数ミリ先には四ノ宮さんの唇。
眼鏡の奥の四ノ宮さんの目がうっとりと私を見つめている。
四ノ宮さんは片方の手で私の頭をぐっと支えていたかと思うと
グイと自分の方に引き寄せた。
ダメ。。。です。。。これじゃ。。。
四ノ宮さんの唇と私の唇の距離は、
私がクッキーを少しずつ食べていくごとに近くなる。
甘いよ。。。。色んな意味で甘すぎます。四ノ宮さん。。。
静かな部屋に、私のクッキーを噛む音と
時折漏れる、四ノ宮さんの吐息にばかり耳が反応してしまう。
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