うたのプリンスさまっ
2
え。。。。?
あまりの素早さに何が何だかわからない私。
すると次の瞬間、
『はぁぁぁん!!綾香ちゃん可愛いっっっ』
瞳をいつも以上にキラキラさせた四ノ宮さんが大きな声を上げたかと思うと
いきなり私を力いっぱい抱きしめた。
『わわわわ、し、しのみやさ。。。!』
『やっぱりボクの思っていた通りです!!!
本当に綾香ちゃんにピッタリ!!!』
少し体を離して私をじっと見つめたかと思うと、四ノ宮さんは再び力いっぱい私を抱きしめながら髪をを何度も撫でる。
チラリと横を見ると、姿見に映った私の頭の上に。。。。
白いウサギの耳がついていた。
『白くて、ちっちゃくて、可愛い綾香ちゃんには
絶対にウサ耳が似合うと思ったんです!!』
四ノ宮さんの目が。。。もうハートマークです。。。
『ああ、本当にすっごくキュートですよ、綾香ちゃん。。。』
もっとボクの目を見て下さい、と四ノ宮さんは両手で私の顔をクイッと上げさせると
親指をゆっくりと左右に動かしながら優しく頬を撫でた。
『四ノ宮さん。。。恥ずかしいですっ。。。
』
そんなにじっと見つめられたら顔から火が出ちゃいそうですってば。。。
『綾香、恥ずかしがらないで?
綾香がこんなに可愛いからいっぱい見ちゃうんですからね?
だから仕方が無い事なんです。。。』
ねぇ可愛いウサギさん、その姿でボクを『なっちゃん』って呼んで下さい?
ああ、ダメです。
四ノ宮さんのその優しい声でそんな事を言われたら。。。
『ああ、可哀そうに、そんなに瞳をウルウルさせて。。。よっぽどウサちゃんのが耳嬉しかったんですねっ!!』
いいえ違います恥ずかしいんです四ノ宮さーん!
ああ、いけない、
ボクの可愛いウサちゃんにお菓子をあげなくっちゃー、
と言いながら四ノ宮さんは椅子に座ると、
自分の膝の上をポンポンしながら
『ウサちゃんの席はココですからねー』
とニコニコしながら私を見た。
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