うたのプリンスさまっ
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『放課後、もし予定がなければボクの部屋に来て頂けませんか?』

色々相談したい事もありますし、と四ノ宮さん。

相談したい事って何だろう?
今日の課題曲練習で、アレンジ変更の案がちらっと出たので
もしかしてその事についてかな。。。?
もしそうだとしたら、ピアノがある練習室の方が都合はいいんだけれど。。。

放課後はもちろんフリーだったので、四ノ宮さんには即答でOKを出すと
その返事を聞くやいなや、では準備があるので先に帰っていますねぇ、うふふ、
と何だか楽しそうに教室を後にした。
準備。。。って何だろう??


暫くして、私も教室を出て男子寮に向かう。
まだ数える程しか足を踏み入れた事が無いので未だに緊張してしまう。
あれ、今日同室の来栖くんはいるのかな?

インターホンを押すと、
『はぁい、今開けますねぇ』と四ノ宮さん。
ガチャリと開けた扉からおずおずと中の様子を伺う私。

『おじゃましま。。。す。。。!!??。』
『うふふ、待ってましたよぉ綾香ちゃん♪』

私の目の前に現れたのはフリフリのエプロンを着けた四ノ宮さん。
手には可愛いお花の絵柄のティーポット。
まるで。。。メイドさん???

私がびっくりして玄関口でぼーっとしていると、
『綾香ちゃん、早く入って下さいねぇ?』
と、キッチンとリビングを行ったり来たりする四ノ宮さんに声をかけられる。

とりあえず荷物を置いて、訳がわからないまま椅子に腰をかけると、
テーブルの上には美味しそうな紅茶やケーキ・クッキーなどお菓子がズラリ。
も。。。もしかしてこのお菓子は四ノ宮さんの。。。。

一瞬、前に頂いた四ノ宮さんの手作りクッキーの味が脳裏をよぎったその時
『とーっても美味しいお菓子を頂いたので、ぜひ綾香ちゃんと一緒に食べたいなぁと思いましてー』

なるほど。。。ほっと一安心。。。

『えっと、私も何かお手伝いする事があれば。。。』

忙しそうに動き回る四ノ宮さんを見て、一度は席に着いた私も再び立ち上がろうとすると、
四ノ宮さんが慌ててこちらに近づいて

『ダメですよぉー綾香ちゃんは大切なお客様なんですからっ』

と私を静止させると、四ノ宮さんはニッコリ笑って、

あ!そうそうー、大切な物を忘れていましたー、

と何やら取り出していきなり私の頭にスポッと被せた。

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