夏目友人帳
5
「お前」
斑の声質が変わった。
「ユウジンチョウを知ってるかい?」
!やはり、あいつも友人帳狙いかっ!
「・・・ユウジン・・」
夏目貴志が繰り返した瞬間、草木が揺れる音がした。
ビクリと夏目貴志の体が震える。
「追われているのか 低級なやつは近づけんさ」
私もそれには、同意権だ。
斑を封じた結界だ。
何者か知らんが、かなりの祓い屋だ。
低級なやつらなどが近づけるわけがないだろうよ。
夏目貴志は、音のした方に警戒しながらもその言葉を信じたようだ。
「・・・そうなのか?・・それはたす・・・」
言葉の途中で、斑が動いた。
「う・・・何する・・・」
夏目貴志が振り向いたときには、斑の姿は影も形もなかった。
夏目の首に『目印』をつけたのだろう。
・・・たくっ。あの招き猫め。
そんなに友人帳がほしいのか?
夏目貴志が痛そうに首をさする。
どうせ、妖怪と関わるとろくなことがないとでも思ってるに違いない
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