夏目友人帳
3
一瞬の変化に、青年は唖然としながらも答える。
「慣れているんでね・・・・」
その返答に私は、確信を持った。
彼が、夏目貴志だろう。
レイコさんそっくりの容姿からもそうだが、レイコさんに劣らない妖力。
妖怪に慣れているという事実。
「お前も妖怪なのか?」
夏目貴志は、とてとてと近づいてくる招き猫に戸惑っている。
「まぁな しかしそこらの低級なのとは一緒にせんでもらいたい・・・ん?」
そこで招き猫は、まじまじと青年を見た。
「お前。夏目レイコじゃないか・・・」
猫の呼んだ名前に私の肩がピクリと動いた。
やはり・・声でそうじゃないかとは、思ったんだが・・。
この猫、まさか、斑か?!
いや、でも、・・・なあ?招き猫だぞ?
「― 夏目レイコは、祖母の名だ・・・」
・・・。
「そっ、祖母?!」
斑?が驚く。
妖怪にとって人間の生きる時間など一瞬だ。
斑??もまた、レイコさんの死を知らなかったようだ。
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