進撃の巨人
8

ハァハァ…ハァハァ…





荒い呼吸と少し、汗をかいた体。
まだ、繋がったまま兵長が頭にキスをしてくれる。

この行動はずっとずっと初めから変わらない。
凄く愛されてるって感じる…なのに、私は兵長のサインをちゃんと感じられて無かったなんて…反省。



次の日、ロビーの掃除を押し付けられた私だけど、幸せいっぱいのポワンとした頭で常に浮かれていた。昨日の事を思い出しては顔が緩みっぱなしで、まぁ、誰がどう見ても気持ち悪いだろう…でも、そんなことどーでもいーもーん。なーんて。

それに、七夕は過ぎたので笹を処分しろと上司に言われたが、昨日起こしてくれた奇跡の根源でもある短冊を、記念と言うかお守り変わりにと言う意味で、自分で持って置きたかった。なのでロビーの掃除を心よく引き受けたのにもそんな理由があった。

ロビーへ向かい笹の中から、自分の短冊を探す。

ガサガサガサッ…


あれ、無いなぁ…兵長ってば、もしかして私の短冊は飾り直さないで持ってっちゃったのかな…






…嬉しくて?…ったく〜、も〜!兵長ったら!!


恥ずかしくて嬉しくて、行き場のないこの想いをバシバシとお世話になったはずの笹を叩く、私の手の平。

そう言えば、昨日宿舎へ並んで手を繋いで帰る途中に聞いた内容を思い出した。

『結局、兵長は短冊に何て書いたんですか?』

「さぁな。」

『え〜…もう、何なんですかそれ。』

「さぁな。」

『もう!さぁなじゃないっ!』

そんなやりとりでさえも、嬉しくてバシバシ当たる笹が、既によれよれになってしまっている。

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