進撃の巨人
3

それから付きっきりでタオルをかえ続け見守っているとエレンの服が汗で濡れているのに気づいた。
「チッ、これじゃ風邪をこじらせんじゃねぇか…」
急いでかえの服と下着を持ってきて布団をはがし、濡れた服を脱がせる。
「……」
脱がせたところでエレンの肌が汗でベタついていることに気づいてしまった。正直面倒くさいがリヴァイとしてこの不衛生な体に新しい服を着させるのは非常に納得いかなかった。だが高熱のエレンを風呂に入れるわけにもいかない。仕方なく別のタオルに水袋の水をかけて濡らし、体を拭いてやることにした。
どうせやるならと徹底的に頭から足の先まで拭いてやった。
「ふー…」
やりきった充実感を感じつつ、何故男の体をわざわざ拭かねばならぬのかと不満を感じた。とりあえずサラサラになった体に新しい服を着せる。
(俺にガキが出来るならこんな感じなのか…?)
ふと子どもがいたらこんな感じに世話をやかなければならないのではと物思いにふけってハッとした。
(馬鹿馬鹿しい、何考えてんだ俺は…)
ギュッと新しいタオルをしぼって最後にもう一度顔を拭いてやると、エレンが呻いた。
「ん…リヴァイ…兵長?」
「エレン!気づいたか」
エレンは身を捩るとリヴァイの服の裾をキュッと掴んで引っ張った。まだ意識がハッキリしないのかほとんど目をつむっていた。
「なんか、体が気持ちいいです…」
「当たり前だ、お前の汗ばんだ体を拭いて綺麗にしてやったんだ」
「そうでしたか…お手数を…すみません…」
「礼を言う暇があったらさっさと治しやがれ」
「ん…」
服の裾を引っ張ったままコクンと頷いた。
「おい、シワになるだろうが、離せ」
「兵長お水…」
「あ?」
「お水下さい…」
「ったく、仕方ねぇな」
わきに置いておいた水袋を取ると蓋を開けエレンの口元に持って行った。
「ん…っ!げほっ、ゴホッ!」
しかし上手く飲めずこぼしてしまった。
「オイ!…あー…ったく仕方ねぇ!」
リヴァイは何かを考えた後覚悟を決めて水袋の水を自分の口に運んだ。
そしてエレンの後頭部を掴んで起きあがらせると噛みつくように口づけた。エレンは少し呻いた後コクンコクンと水を飲み込んだ。リヴァイの口の水が無くなっても、もっと欲しいとリヴァイの口を吸った。
「バカ、待て!もう一度やるから」
それから何度も口移しで水をやると、喉が潤ったエレンはリヴァイに甘えるようにしがみついた。

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