進撃の巨人
1

「うぁっ…ぁっ…」

嬌声に合わせてリヴァイの吐息が漏れる。エレンは兵長の部屋のベッドに横たわる。それにリヴァイが覆い被さり腰を突き立てる。

「ひ…ッア…兵長…っ!」
「エレン…」

大粒の涙が零れ落ちる大きな瞳は反らすことなく一点を見つめる。リヴァイもまたそれに応えた。

「好き…です…兵長…」
「……」

何度目の告白だろう。数十回にわたる遠征の中仲間を失う度にその大きな喪失感に押し潰されそうになっていた。戦意喪失する仲間が多く出る中、意志の強いエレンは何とか耐えられた。だが耐えられなくなった仲間たちにかける言葉も見つからず、一人取り残されたエレンの伸ばした手は何も掴めなかった。
そんな手をふと掴んだのはリヴァイだった。
リヴァイはエレンもだいぶ参っていることには気づいていた。だがリヴァイはエレンより仲間に気の利いた言葉をかけるのは向かないタイプだ。どうにもならない状況をどうにかしようとするエレンの手を"無駄"だと言うために掴んで見た顔は酷い顔だった。
巨人に対する怒りより守れなかった不甲斐なさや失うことへの恐怖が勝り死んだ目をしていた。
このままでは次の遠征で生き残れる確率はない。そう確信した途端リヴァイはエレンの手を引いていた。

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