テニスの王子様
3
「私も……亮が好き……」
耳まで真っ赤に染まった彼女に、俺は再び柔らかい笑みを向けると額と額を合わせ、至近距離で見つめた。
「さっきのアレだけど」
「うん」
彼女も上目遣いで視線を合わせた。
「あの子が突然キスしてきただけだから」
「うん……」
「俺だって、嫌だったんだぜ」
「うん……」
「まぁ、どんな理由であれ言い訳ばかりしてる俺は激ダサだよな」
苦笑いを浮かべる俺に彼女は首を左右に振った。
「亮はダサくないよ?突然されたら、私だって……」
「ありがとうな」
俺は右手で彼女の頭を軽く撫でた。
「……ねぇ……っ」
「ん?何だ?」
再び上目遣いで見つめてくる彼女に、俺は軽く首を傾げた。
「さっきの続き、シよ?」
想定外の言葉に、俺の身体が固まってしまった。
「ダメ?」
「ダメ……じゃねぇけど……。その……続きって何をするか分かってんだよな?」
俺の言葉に彼女はコクリと頷いた。
俺は彼女の手を引くと、校舎の影になる場所へと連れて行った。
ここは、ジローの昼寝場所だ。
今日、ジローは跡部と一緒に昼飯を食いに行っているので、俺はそこが空いている事を知っていたのだ。
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