テニスの王子様
7
外に出ると、雲の間から微かに見える月の明かりと、庭に立っている外灯の光りだけの世界だった。シーンと静まりかえる庭に進入者はいないかと調べる貴女。そんな貴女を木の上から監視している男が居た。
『何や…今は女一人だけか…。この俺に命を狙われとるのに、跡部はケチなんやな…。』
男は笑いを噛み殺すと、貴女が木の下に立ち止まった瞬間に木から飛び降り、貴女の背後に回ると首筋にナイフを宛てる。
「そのまま、両手挙げて貰おうか…。」
男は貴女の耳元に顔を近付けると低い声で囁き、ナイフの先で首筋を突く。
「…………。」
貴女は言われた通りに両手を挙げる。
「ええ子やな。ほな、次はそのまま向かいにある外灯の所まで歩いて貰おうか…。」
男が再度ナイフで首筋を突くと、貴女はゆっくりとした足取りで外灯に向かう。
「ホンマにええ子やんなぁ。次は外灯に両手回して貰おうか。」
貴女は言われた通りに外灯を抱き締める様に両手を回す。すると、男はナイフを口に咥えベルトを外すと貴女の両腕を縛り上げる。
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