テニスの王子様
1
「そんでな、跡部の奴はな……」
貴女の恋人と同じ部活の忍足に部活中の話しを聞いていると、教室のドアが勢い良く開かれた。
「おい、テメェ!何浮気してんだ!!」
恋人の景吾が鬼の形相で貴女に向かい歩み寄る。
「えっ?忍足先輩に景吾の事聞いてただけだよ?」
きょとんと景吾を見つめる貴女の腕を掴むと無理矢理椅子から立ち上がらせた。
「忍足!こいつは俺様の女だ。手ぇ出すんじゃねぇ!!」
「はぁ?ンな事分かっとるよ。跡部の話をしてただけやで?」
景吾に呆れた表情を向ける忍足は一瞥する。
「ふんっ、これからは気を付けるんだな」
景吾は貴女の腕を掴みながら教室を出て生徒会室に向かった。貴女は戸惑いながらも大人しく付いて行くしかなかった。生徒会室に入ると景吾は貴方を壁に押し付け鋭い眼差しで睨み付けた。
「景吾……何で怒ってんの?機嫌治してよ……」
「なら浮気すんじゃねぇよ」
貴女の顔の横に両手を付くと景吾は顔を近付けた。
「俺は本当にお前を愛してるんだぜ?だから、お前も俺だけを見ろよ……。他の男なんざ見る必要はねぇ……。分かったか?」
「う、うん……分かった」
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