テニスの王子様
9
跡部は興味津々とばかりに目を細める。
「はい……どんな子と言われても……」
鳳は美穂の事をどう説明したら良いのか悩み始める。
素直に感じた侭を伝えれば良いのだが、そうすると跡部の眼力で見抜かれそうだ。
鳳が困り果てていると、そんな鳳の表情を見ていた跡部が喉奥を鳴らしながら笑い出した。
「ククッ…もしかして、その子に惚れたのか?恋愛は禁止だぜ?」
「ち、違いますよ!!ただ、俺は……その……」
慌てて両手を顔の前で振りながら否定する鳳だったが、図星を指された事で言葉を失ってしまった。
跡部はそんな鳳の様子を鼻で笑うと立ち上がり
「まぁ、いい。今から俺様がこの目で見て判断する。そういや、絵莉菜がお前の事探してたぜ。携帯の電源入れておけよ」
と、紡ぐと英字新聞で鳳の胸板を叩いた。
「はぁ……絵莉菜さんですか……。分かりました。今から電話してみます。」
跡部から視線を逸らしながら鳳は苦笑いをし、英字新聞を受け取った。
「それじゃ、今から3日間、帰って来るんじゃねぇぞ」
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