テニスの王子様
5

不二裕太と住んでいるんだよ」

鳳が指差すもう片方の別館に目線を移すと、二階の窓から明かりが洩れていた。
多分あそこが美咲の部屋なんだろう。

「じゃあ、三階に住んでいるのが……」

美穂は目線を鳳に戻すと服の裾を掴んだ。
鳳は『大丈夫だよ』と美穂の耳元で優しく囁くと耳朶を軽く甘噛みする。

「ちょ、たろッ…!!」

美穂は甘噛みされた耳朶を手で押さえると驚きで目を見開き、鳳の顔をまじまじと見つめる。

「クスッ、いきなりで驚いた?美穂のその顔、目茶苦茶可愛い……今すぐ食べちゃいたい位だ……」

鳳はクスクスと笑みを零すと、美穂の手を引き抱き寄せる。

「ちょ、たろう……何言って……」

美穂は鳳の腕の中で頬を赤く染め、戸惑いながらも鳳の腰に腕を回し緩く抱き締めた。

「続きは部屋に行ってから……」

鳳は美穂の耳元で甘く囁くと身体を離し、美穂の手を握り締め二階に導いた。
美穂は黙って俯いた侭、鳳に手を引かれながら一段一段階段を昇った。

「この部屋には2つ玄関があるんだ。普段はこっちの

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あきゅろす。
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