テニスの王子様
4

鳳は美穂の背中を軽く押しながらゆっくりと歩き始める。
美穂は展示してある絵画をチラリと見たが、美術関係に疎いので、『ただ綺麗な絵だな』と思っただけだった。
後から聞いた話では、その絵画は最低でも五千万はするらしい。
昔、この屋敷で勤めていたメイドがこの絵を盗もうとして捕まった事があり、その後、この回廊兼展示室の扉には鍵が掛けられ、厳重なセキュリティーの元保管されている。

「俺達の部屋は2階になるから。別館の1階はオーナーのお気に入りの北堀真琴(きたほりまこと)さんが住んでいて、ホストの人達もたまり場として使用しているんだ。因みに真琴さんと一緒に住んでいるのは日吉若。俺と同い年で中学からの友達なんだ。」

鳳の話に耳を傾けながら、真琴と日吉の顔を思い浮かべる。真琴はスラリと伸びた脚が魅力的で、ちょっとキツイ感じがする美人だ。日吉はストレートの茶色い髪に切れ長の目が印象的な美青年だった。

「向こうの東館は三階建てで、一階には観月あすか(みづきあすか)さんが神尾アキラと、二階には浅野美咲(あさのみさき)さんが

[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!