テニスの王子様
3

向けた。すると鳳は右手を伸ばし

「敬語は禁止。それと、俺の事は長太郎と呼んでいいから」

軽く美穂の額をでこぴんする。
美穂はでこぴんされた額を両手で押さえると軽く舌を出した。

「ん……分かった。これからは長太郎って呼ぶね」

「そうしてくれると嬉しいな」

二人は目線を絡ませると微笑み合った。

暫く、榊邸の廊下を歩き続けると、前方に大きな扉が見えた。
鳳はその扉の前で立ち止まると

「この扉の向こうが別館になってるんだ。この本館に呼ばれた時以外はこの扉には鍵が掛かっているから、普段は外から別館に入るんだよ」

そう言うと、両手で扉を押す。
ゆっくりと開かれた扉の向こうに長く続く廊下が見え、突き当たりにも扉があるのが見えた。

「あの扉は?」

美穂は鳳に促される侭中に入ると辺りを見渡しながら鳳に問う。

「あれが別館の入り口。普段は向こうにも鍵が掛かっているから。それと、この回廊に展示してある絵画はオーナーのコレクションだから、触ったりしない方がいいよ」

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