テニスの王子様
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【貴女は手塚の彼女。リョーマと同じクラスで図書委員。今日は二学期最後の委員の仕事中】


「ねぇ、この本だけど、どの棚か分かる?これが終わったら帰れるんだよね。」

リョーマが一冊の本を貴女に見せる。

「あっ、この本は確か…一番奥の棚のだと思うよ?」

「ふーん、なら一緒に片付けに行こうよ。」

リョーマはそう言うと貴女の腕を掴むと返事を待たずにさっさと本棚に向かい歩き出す。

「ちょっと、越前くん。待ってよ…。」

貴女はリョーマに引っ張られながらも目的の本棚に向かう。

「…で?この棚の何処にしまえばいいの?」

「……えっと…一番上だけど……。」

貴女が顔を上げるとリョーマは

「台は受付の所にあるから取りに行くの面倒だよね…。俺がアンタを持ち上げるけど、それでいい?」

リョーマは無表情で貴女を見つめる。貴女は無言で頷くと本を受取リョーマに肩車をして貰う。

「ねぇ…今、手塚部長が九州に行ってて寂しくないの?」

「ん…まぁ、少しは寂しいけど…国光には早く怪我治して貰いたいし…。」

「ふーん…でも、身体は寂しいんじゃないの?」

「えっ?そんな事、越前くんに言う必要ないでしょ?」

貴女は本をしまうと『降ろして』と暴れるが、リョーマは貴女の両脚をしっかりと掴みその侭机に向かい貴女を机の上に座らせる。

「アンタさ…俺の気持ち分かってるの?俺はアンタに惚れてるんだよ?」

そう言うとリョーマは貴女の両腕を掴むと押し倒し乱暴に口付ける。

「んっ…やぁ……!!」

貴女は両腕に力を込め懸命にリョーマから逃れようとするが、唇の隙間から舌を差し込まれると抵抗出来なくなる。暫くの間、深い口付けを交わすとリョーマは二人の間に銀色の糸を引きながら唇を離す。

「俺はアンタに寂しい思いはさせない。だから俺に乗り換えてよ…。手塚部長より大切にするから…。」

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