バイオハザード
1

私は何日間も、ずっと願っていた。

皆元気で帰ってきますように。
肩を組んで、疲れて窶れた顔をして、それでもって幸せそうなやりきったような顔をして、

傷は少しぐらいなら良い。時が経てば治るような傷ばっかりで、

とにかく、無事で帰ってきて欲しいと

私はずっと願っていた。

***

「ピアーズ…ッ!!!」

「…ミキ?」

白く得に何も置かれていない無機質な病室に駆け込んでとにかく温もりを確かめたくなった

抱きついた時に感じた変わりない温かな温もり。でも、

「目と…腕、」

「…あー…、うん…やっちまった」

弱々しく儚い笑顔で笑いかけて私を抱きしめ返してくれるピアーズのその力は半減されている

左手を精一杯伸ばして優しく抱きしめてくれる彼の行動に鼻の奥がつぅんとした。

「泣くなよ」

「は…」

暫くして口を開いたかと思えばそれだ

私は気付けば泣いていたようで、自分で拭うよりも先にピアーズが優しく目元に触れた

「―――ごめん」

不意に零されたその謝罪に私は何て言えばいいのか分からなくなる。

こんがらがった頭の中で必死に考えようとして、余計ぐちゃぐちゃになってしまう

最終、出たのが

―――どうして謝るの

そんな言葉だけで

また涙が溢れ出したような気がした。

「俺こんなになっちまったよ…もうお前を両手でがばっと抱きしめられないし、生活も難しくなるんだろーな…」

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