るろうに剣心
7

「剣心……。」

そう言って剣心の背中をギュッと抱きしめる。

ありがとう。そして、大好き。

剣心に伝わるようにと、精一杯抱きつく。

再び涙が頬を濡らす。

アタシも剣心もお互い心臓がバクバクしてる。でも、
剣心もアタシもお互いを抱きしめる手は力強く、しっかりとしている。

「薫殿、愛してる。これからもずっと拙者の隣にいて笑って欲しい。
そして拙者も薫殿の笑顔の為に、これからもずっと薫殿を守っていきたい。」

抱きしめる手が更に強くなる剣心。

きっと剣心もアタシに伝わるようにと、そう思って強く抱きしめるんだと思う。

アタシも剣心の気持ちに負けじと抱きしめる。

涙で顔はグチョグチョだった。

剣心の肩も再びアタシの涙で濡れていく。

嗚咽が止まらない。

嬉しくて、嬉しくて、幸せすぎた。

この気持ちを伝えるには全身を使ったって、表せない。

それでも剣心に出来る限り伝えたい。この気持ちを、

「薫。」

そう言って、抱きしめる力を弱めてアタシと顔が向かい会うように体勢を変えた。

ほんの少ししか経ってないのに、剣心の顔を久しぶりに見た感じがした。
そしてどこか早急まてと別人に見えた。

そんな剣心の頬はほんのり赤くなっていた。
だけどその瞳は凄く落ち着いていて、力強く、とても優しい眼だった。

アタシはそんな剣心と涙で濡れたグチョグチョの顔が恥ずかしくて思わず目を逸らす。

クスッと笑ってアタシの目から流れる涙を指で拭く剣心。

そして……

「薫。」

もう一度アタシの名前を呼び、
剣心と目線を合わせないアタシの顔を、優しくつかんで無理矢理顔を合わせる。

暫く見つめあって…

グイッ


視界が急に変わった。

剣心のまつ毛が少し頬に触れる。

唇に感じる温もりと柔らかい感触。

剣心に引き寄せられ、初めての口付けをされた。

驚きはするものの、あまりにも心地よくて瞼を閉じた。

一度唇を離し、また再び重なる。

ほんの僅かな時間だけど、凄く凄く長く感じた。

恥と気持ち良さに溶けてしまいそうだった。
この世で自分は一番幸せ物だと本気で思った。

唇が離れて再び剣心と顔を向かい合わせる。

顔が凄く熱い。

剣心も早急とは比べものにならない位顔が赤い。

だけど、それもまた一つの幸せ。

気付けば自然と涙が止まってた。

「薫。」

またもや剣心がアタシの名前を呼んでニコリと笑った。

アタシも連れてニコリと笑う。

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