るろうに剣心
6
「やだなぁ。分かってますよ。」
志々雄という男と、宗次郎という少年。
─コイツらは何者なんだ…?
綾香は恐怖のせいか足が震えた。
「それで…志々雄さん?」
宗次郎は綾香ほうをチラリと見た。
「この人…どうします?」
綾香の体に悪寒が走った。
宗次郎の笑顔がより恐怖を引き立てる。
「放っておけ。興味ねぇ。」
志々雄は綾香の方を見もせずに言った。
「それに、こいつも大分油を吸えたようだしな。」
志々雄は先程使った刀を満足げに見つめた。
「それにしても志々雄さん?何であの人たちを斬ったんですか?」
「大して強くもねぇくせに、ふんぞり返って歩いていやがったからな。上がいるってことを思い知らせてやったのさ。」
「はははっ。志々雄さんらしいや!」
「この世で一番強いのはこの俺なんだよ。」
─志々雄…
己の強さを信じ、火傷の体でさえも戦い続ける執念…
綾香は月光に照らされる志々雄を見た。
その体は包帯で覆われ、火傷が所々に見える。
─女は
太陽よりも強く、熱い光を放つその男を
誰よりも…
─月よりさえも
美しいと思った。
その光を見ると、心は焼け焦げそうで…
しかし、荒々しいだけでなく美しさを持った光…
綾香は一瞬にして心を奪われた。
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