ハリーポッター
1
「せーぶーるーすっ!」
妙にテンションの高い声。横から何かもぐもぐ食べている音が聞こえる。
甘ったるい匂いも鼻をつく。
「ねぇ、セブルスってばぁー」
顔を見なくても誰だか分かる。
なぜだか知らんがこいつがホグワーツの教師になってからやたらと部屋に遊びに来るのだ。
「なんだルーピン。我が輩は今本棚の整理をだな…」
「ねね、一緒にチョコレート食べようよぉー」
「…我が輩は甘い物は苦手だ。1人で食ってろ…。」
「えーじゃあ一緒に紅茶飲もう?」
「今我が輩は忙しいのだぞ…貴様の相手などしてられるか」
「酷いセブルス…僕…一緒にお茶したくてわざわざ美味しい紅茶も取り寄せて待ってたのに…!」
そう言いながら自分を見る瞳は、うるうるとしていて断れない雰囲気を醸し出している。
「…しっ…仕方ないな、少しだけだぞ…」
「やったぁー!セブルスだーいすきっ!」
「…簡単に好きとかいうな!//////」
こんなやりとりが繰り返されるうちに、自分は少しルーピンの思惑通りになっているようでなんだか少し悔しくなる。
「あれ?セブルス〜…顔赤いよぉ?」
「ちっちがう!これはあれだ蝋燭の火のせいだ!」
「ふーん…。あ、そういえばね、この間シリウスとでかけたんだけど〜…」
(全く…なんでこいつはこんなに自分にちょっかい出してくるんだ…。シリウスと仲良くやってればいいものを…)
「…ルス」
(って、我が輩は一体何を考えているんだ!どうでもいいだろうこいつのことなんて!)
「セブルスってばぁあ!」
「うぉっなんだ大声を出すなルーピン」
「さっきっから話してるのに全然きいてくれないんだもん…」
「す…すまない…(なぜ我が輩が謝るっ…!)」
「もういーよっ!」
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