ハリーポッター
5
「泣いたり喚いたり煩い生徒だ。ムードも何もあったもんじゃない。」
スネイプの行動を察知したはかっと顔を赤らめて再びジタバタした。
『教授ーー展開早すぎます!!下ろしてー』
「展開?全く何のことやら我輩には想像もつきませんぞ。」
そう囁くとスネイプはをベッドにそっと下ろし、軽く啄む程度のキスをした。
「少しは黙っていなさい。我輩は……我輩は欠点のある人間の方が愛しくてたまらないのだ。愛しい生徒を1人にしておけるものか。」
『教授…これは夢ですか。これが夢なら私は一生目覚めなくてもいいです』
「夢などではない。我輩がを愛する事実は変わりなどせぬ」
そう言ってスネイプがの頭を愛しむように優しく撫でると―泣き疲れたのだろうか―はすやすやと寝息をたて始めてしまった。
「全く…我輩の気持ちも知らずに…」
スネイプは困ったもんだ、とまだあどけなさの残る少女の寝顔に苦笑しながら、ベッドに散らばる黒髪にスッと指を通した。
――自分と同じ黒髪、そして劣等感を抱きながら苦しみ生きる瞳の闇にいつの間にか惹かれていたとは…
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