ハリーポッター
1
『クロリス!今日も可愛いね!』
『クロリーちゃーんVv萌ぇーvv』
―‥‥もううんざり
今朝も大広間に向かうまでに何人の子達が声を掛けてきただろうか
―の隣を歩くクロリス・テレジアに―
クロリスはフランス人形のような可愛い顔で、頭脳明晰、おまけに控えめで皆に好かれるグリフィンドールの4年生である。
一方はというと東洋人ということもあってか、容姿は普通。成績も中の上くらい。取り立てて述べるほどの事もなかった。
1年生の時彼女と同室になってしまったが為に、この4年間は輝ける彼女の影に隠れてしまっていた。
自分でも嫌になるほどの劣等感を抱いていたのだ。
その劣等感を払拭しようと、必要以上に明るく振る舞っていたためには双子のウィーズリーと共にグリフィンドールのムードメーカーとなっていた
―それが故に彼女はの劣等感にも気づかなかったろう―
けれども、このにも彼女にだけは譲れない事があった。
スネイプへの恋心だ
いつからだろうか、あの闇を秘めた瞳、ニヒルな表情、そして何よりも魔法薬学に対する自負
‥気づいた時にはスネイプに恋をしていた‥年も30は違う。おまけには敵対する寮の生徒。
スネイプに振り向いてもらう要素など1つもなかった。
それでも教授への恋心はつのる一方で、必死で勉強し魔法薬学の成績だけはトップ5から漏れることはなかった。
―もちろんその5人の中にクロリスもいたのだが‥
週1回の金曜午後の授業が待ち遠しく、無理やり質問を作ってはスネイプ教授と話せる機会を作った。
初めの頃は質問すらはねつけられたものの、成績が上がるにつれてグリフィンドール生とはいえ質問に答えてくれるようになったのだ。
としては、それだけで幸せだった。
スネイプと話せるというだけで…
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