ハリーポッター
1

"好き"だと言ったら、あなたはどう思うだろうか?


でも私は、あなたに近づけない。




怖れ



「次は魔法薬学ね。…、大丈夫?」


一限の変身学が終わり、次の予定を確認するハーマイオニーに私は凍り付いた。

「…うっ…うん。」

「でも、顔真っ青よ!」


心配してくれる友を安心させる為に無理矢理笑ってみたが、ハーマイオニーはさらに眉をひそめてしまった。


「嘘つかないの!ほら、医務室に行くわよ。」

どこにそんな強い力があるのかと思いたくなるほど強く引っ張られ、すぐに医務室へと連れていかれた。


違うの、ハーマイオニー。私は気分が悪いじゃないの…。


ただ、あの人と会うのが怖いだけ…。


「いい?ちゃんと寝てるのよ?」


この思いを友にだけは伝えたかったけど、すぐに地下室、魔法薬学の授業に向かってしまった。


「はぁ…。自分の意気地無し。」


胸にあるこのもやもやを友にも、そしてあの人にも伝えられない。


苦しい、苦しいと心は叫ぶばかり。でも言葉にすれば、上手く表現できない。



あの人が低い声で喋ると、私の心は喜ぶ。でも、あの人の目を見ようとすると、体は逃げてしまう。

怖いのだ。
あの人が、あの黒い瞳で私を見つめるのが。私の心を見透かすのが。

そして、あの低い声で拒絶の呪文を唱えられそうで。

「…私の臆病者…。」



ただ、"好き"って言葉が言えない。



悩んでいるうちに、私は瞼がゆっくり下りるのを感じた。




深い、深い眠りの中、





「……。」









あの人が私に語りかけるのを聞いた…気がした。


「…スネイプ先生?」

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