薄桜鬼
1
「暇だなぁ〜…。」
私は今、自室で寝転びながら同じ言葉を繰り返していた。
私は斎藤さんと付き合っている。凄く大切にされていて、毎日幸せ。だけどこれといった発展がない。キスも軽く触れるくらいまで。
別に欲求不満とかじゃない。斎藤さんはあんまりそんなことをしたがらないと思う。…世に言う草食男子だろう。
だけど…不安になるんだ。私なんかに興味ないんじゃないかって…。
考えれば考えるほどマイナス思考になってしまう。気晴らしに中庭へ行こうと立ち上がった時、襖が開いた。
「奈美、今時間は大丈夫か?」
「斎藤さん…」
襖を開けたのは今まで悩んでいた斎藤さんだった。手にはおぼんを持っていて、湯飲みが2つ乗っている。
「ど、どうぞ…」
私がそう言うと「失礼する。」と言って襖を閉めながら部屋へと入ってきた。
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