薄桜鬼
4
「……俺は総司…お前を好いている。
だから最初の時も今までもお前を受け入れてきた。
お前も俺を好いているものだと思っていた。
だから……だから今までのような曖昧な関係を辞めて……
その…お、おまえと……お前と…恋仲になりたい……
そう思ったのだが……迷惑だっただろうか?」
僕は夢でも見てるんじゃないだろうか……?
だって夢じゃないなら、一君が僕を好きだなんて
ありえるはずがないじゃない。
呆気に取られて呆けている僕に訝しげな視線を向けてくる一君
「…な、なにか可笑しな事を言っただろうか……?」
「ううん、違うよ。僕は夢を見てるんだなって思っただけ」
「…夢?」
「…そう、夢だよ。だってそうじゃない。
夢じゃなきゃ、君を好きな僕に君が
僕を好きだなんて言う筈ないもの」
「……何故そのようなことを…総司……」
呆れたような表情をした一君がそう言って
そっと僕の手に指を絡めてくる。
「…夢だろうと現実だろうと、俺をこうしたのはお前だ総司。
離してやる気も離れるつもりも毛頭ない」
「…そんなのってずるいなぁ。
まるで僕だけが悪いみたいじゃない。
逆を返せば僕をそういう気にさせたのは一君なんだからね」
絡められた指に自分の指を絡め直しながら、
その細い腰をしっかりと自分のほうへ引き寄せ
――今までとは違う甘い甘い時間へと堕ちてゆく...
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