SHORT U
フラフープ(田×亀)
「機嫌直してっちゃ…」
目の前に座る、ほっぺを膨らまして不機嫌そうな顔した絵里。
…いや、不機嫌そうやない…バリ不機嫌。
フラフープ
数時間前までは、ふにゃふにゃした笑い方で笑っとった。
…はずなのに、見たらいつのまにか怒っとぉ絵里がおった。
さっきみたいに理由を聞こうとしても、ただ黙るだけの繰り返し。
「絵里。なんで怒っとぉか教えてっちゃ」
わからんけん、そう素直に言ったら、ボソッと小さく聞こえた。
『…れーなのせいだもん』
口を開いたと思ったら、れなのせいって言葉。
「…は?」
『フラフープ…』
指をさしとぉ方向に目をやれば、リンリンが今使っとる、れなのフラフープ。
最近のお気に入りで、テレビでも紹介したことある2色のやつ。
「…フラフープ?」
もっかい聞けば、頷く絵里。
まだ不機嫌の理由が分からんれなに、小さな声で呟いた。
『れーな、ずっとあればっかなんだもん』
そう言って、また俯く。
さっきまで暇やったけん、遊んどったのは事実。
やけん、それで不機嫌の理由が分かれば話は早いっちゃ。
まだ上手く結論にたどり着かない。
頭をフルに回転させて、やっとたどり着いた結論。
「…妬いたと?」
一か八かで聞いてみたら、その予感は的中らしく、首が縦に振れた。
普通、物にヤキモチ妬く人はなかなかおらんけど、絵里のことやけん。
「ごめんっちゃ」
『…ん』
許しているのか許してないのか、分からない反応にスッキリせん。
まだ絵里の顔も曇ったまま。
漂うオーラもまさに暗い。
まだ俯いとぉ絵里がもどかしくて、軽く乱暴に頬に手を添えて、顔を上げさせる。
ちょっと突き出た唇に、自身の唇をやけくそでぶつけた。
ゆっくり離れれば、さっきとは真逆の表情。
…しまった。
『うへへ』
相変わらずの笑い声。
…と、八重歯が見える笑いよぉ顔。
『もーあんましないでよ?』
「え…それはちょと、」
言いかけたとこで、また曇ってく顔。
「あーもう!わかったけん!しないと!」
『うへへ』
しばらくは振り回されそうです…。
END
_
Back(*)Next(#)
[戻る]
無料HPエムペ!