SHORT U
彼女に弱い僕(♂新×高)



だいたいの事はなんでもこなす僕。

いや、何事も最後までやらないと気が済まない性格なんだけど…。


ただ、僕には弱点がある。

ほんと、考えるだけで何も手がつかないぐらいに。



彼女にい僕




『里沙ちゃーん!』

「あ、愛ちゃん」



鞄を背負って教室を出ていこうとしたとき、ドアに立ってた愛ちゃん。

もとい、僕の彼女である。


容姿端麗で、訛りが抜けないけど、それがまたかわいくて…みんなからも頼られる完璧人間と言ってもいいほど。



『帰ろうやぁ』

「あ…ごめん。委員会があるから、先帰っててもいいよ?」

『えぇー…、じゃあ待っとる!』

「でも、それだと悪いし…」

『里沙ちゃんは、あーしと帰りたくないんか…?』

「いやっ、ち、違うよ!帰りたいけど…っ」

『じゃあ、待っとるから』



んふふ〜♪なんて歌いながら、僕の席に座った。

どうやらここで待つみたい。


僕の鞄から、筆箱を出して。



「じゃあ、行ってくるね」

『はーい』

「気をつけてよ!?」

『分かっとるがし』



こうやって僕が側にいないと、愛ちゃんを狙って近づく男子がいるから。

常に気を張ってなきゃダメなのだ。





――――


『…と、いうことで今回の球技大会は…――』



正直、委員会とか今はどうだっていい。


愛ちゃんのことが心配で仕方がない。

その心配が滲み出て、貧乏ゆすりが回数を増してくる。



『ガキさん、大丈夫ですか?』

「あぁカメか。…いや、うん…大丈夫」

『まぁた愛ちゃんのことでしょー?』

「うっ…」

『好きですねぇ、相当』

「…ま、まぁ//」



恥ずかしくて、意味もなく紙にペンを走らせる。

書く目的もなく、ただぐるぐると丸を書いて。



『、あれ…?』

「どうしたのだ?」



カメを見ると、どこか一点を見つめてて不思議そうにしてる。

その視線を辿ってくと。



『あれって、愛ちゃんですよねぇ?』

「っ…ほんとだ…!」



下の中庭にあるベンチに座ってる愛ちゃん。

…と、僕以外の知らない男子。



『告白、ですかねぇ?』

「えっ!…そ、そんな…」

『いや、でも雰囲気的に…』



確かに告白の雰囲気。

男子の顔が少し赤いような気もするし。


どうしよう…愛ちゃんが取られちゃう。

告白されて…、愛ちゃんの気持ちが…。


考えれば考えるほどにマイナス思考になっていく。

そうとなれば、僕はもう委員会どころじゃなくて。



『じゃあ、今日はこれで終了…――』



先生の話も聞き流して、誰よりも早く教室を出てく。


廊下を走り回って階段を全速力で降りて。

激しさを増す息切れも気にしないで走った。



そして、やっと着いた中庭。

静かだけど聞こえてくる会話。

2人から死角の位置にある壁に寄りかかって耳を澄ます。




『高橋さんが好きで…――』


…やっぱり。

決定的言葉を聞いてしまったのだ。


『…あの、返事を――』

「ダメなのだ」

『…え?』



きょとんとして僕を見る2人。

良い雰囲気にさせるわけにはいかないし。


だいたい、愛ちゃんに近づきすぎなのだ。



2人に歩み寄って、愛ちゃんの腕を掴む。



『いっ…ちょ、里沙ちゃん…?』

「愛ちゃんは僕のだから。…誰にも渡さない」



嫉妬で出来たどす黒い塊が言葉にして出てくる。

態度にも出てたのか、腕を掴む力が強くなってしまった。


男子は怖くなったのか、逃げるように去っていった。



『ちょっと里沙ちゃん…っ、痛いやよ…っ』

「え?あ、…ご、ごめん!」



パッと手を離すと、その掴んだ部分が少し赤くなってた。


自分の嫉妬で愛ちゃんを傷つけてしまった。

とてつもない後悔やら罪悪感に襲われる。


愛ちゃんを見れば心配そうで…、でも涙目だった。



「…ごめん、」

『どうしたんよ?…今日の里沙ちゃん、なんか怖いがし…』

「ほんとごめん…」



不安そうに見る愛ちゃんを抱きしめて。



「その…愛ちゃんが、取られると思って…」

『へ?』

「告白とかされて、気持ちが僕に向かなくなったら…とか考えちゃって。…その、ほんとごめん…」

『・・・』



こんな僕の中が醜いものでできてたなんて知らなかった。

ましてや、それで大切な愛ちゃんを傷つけてしまうなんて…バカだ、僕。



『里沙ちゃん…?』


手を優しく包まれて、顔を上げるとゆっくり唇を重ねられた。

優しく、触れるように。



「っ…//」

『あーしは、里沙ちゃんしか好きにならんって//』

「で、でも…」

『…里沙ちゃんしかいらん。里沙ちゃんじゃなきゃダメなんよ…あーしは//』

「…そっ、か…//」



ゼロに近い距離をもっとなくす。

背中に手を回しすと、愛ちゃんも応えるように回して。



「…愛ちゃん、その…好き//」

『んふー、あーしも//』



さっきまでの醜い塊はどこか飛んでって、なんかすがすがしい。


さっきよりも優しく、…もっと優しく。

愛しい彼女の唇に、ゆっくりキスをした。



「…絶対誰にも渡さないから」



END

あー…題の意味がw

関係なくなっちゃいましたね←


しかも、俄然強め系の新垣君。

でもそれがいいですね←

管理人は大好きです←


なんか同じ系統のストーリーが多くてすいません(´・ω・`;)




Back(*)Next(#)
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!