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神に罰を、悪魔に祈りを、幸村*



鼻を消毒液や包帯の匂いがツンと刺激する。病院独特のその匂いを嗅ぐ度に何度も、そう何度も涙が出そうになる。
白を基調とする部屋は病院という場所を認識させるには十分だった。扉から部屋に入れば、白いカーテンが目に映る。カーテンで区切られたベットと通り道の間は何かをわかつ区切られたように感じさせた。

自分の気持ちに句切をつけ、カーテンを開け中に入ると先に来た立海大テニス部メンバーが揃っていた。シャー、というカーテンの音に反応した柳生と仁王がこっちを向く。




「なまえ…」




仁王が途切れ途切れに私の名前を呼んだ。


呼ぶなら、ちゃんと呼んでよ仁王。


仁王の言葉に私が来たことに気づいた柳とジャッカルが気まずそうにこっちを向く。“なまえ、”と。一言名前を呼んだ。皆、何…?どうして、そんなに暗い顔してるの?辛気臭いにも程がある。




「なまえ、ゆき、むら…くんが…」




ねえ、どうしてそんなに涙ぐんでるの丸井?
意味わかんない。

“ゆきむらくんが、”?
何、幸村がどうしたの?



「幸村は先程逝った」


『逝った、って…
どこ、に...?

屋上にでも行ったの?』


「なまえ、精市は死ん―――『そんなの信じないっっ』…なまえ」


『幸村が死んだ?
ははは...柳、面白くない嘘は…、』




そのとき、目に入ってしまった。幸村がいつも寝ていたベットには誰もいない。その隣の緑色の椅子には赤也が座って涙を流している。赤也、滅多に泣かないんだけどなぁ...




「なまえ、嘘じゃないんじゃ
幸村は…」




目の前が真っ暗になった私に仁王が何か言う言葉が右から左へと通り抜ける。

幸村は私が来る数時間に息を引き取ったらしい。最後は病気に侵されている人間とは思えない綺麗な最後だったらしい。




『嘘、』


「嘘じゃないんですなまえさん...」


『だって、今日に逢う約束してて、』


「ゆき、むらぶちょー…っく、
なまえせんぱ…に、逢えないな、って、泣いて、て…っ」


『ゆきむら、』






それから私は泣くだけ泣いて。涙が枯れる程泣き明かして。身体中の水分が涙に変わるんじゃないかって思うぐらい永遠に泣き続けた。






赤也が言ってた。
サンタは一番欲しいものをくれる、って。


なら一番愛おしいひとをください


ブン太が言ってた。
神様は信ずる人の願いを叶える、って。


なら一番愛おしいひとをかえしてください








神様の、嘘つき

ゆきむらを返してよ…


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幸村は出てないけど幸村夢だと言い張る





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