「切原君……何回言えば分かるの...?」 「さ、さあ…?」 ああ、またか。 切原また英語の先生に呆れられてるよ。今日の授業だけで5回目。 正解しないと授業は終われない。勿論、あたしは終わった。どっかの赤点エースとは違うからね。 「くっっそ…英語なんて出来なくても生きていけるっての…!」 『君の好きなテニスも殆ど英語使われるけどね』 切原は終わりそうにないプリントを机に置いて、溜息をついた。 切原、切原。 先生も溜息ついてるよ? 「だから英語は嫌いなんだよ…」 “ってことで…、頼む!”と顔の目の前でお願いのポーズをされる。 『えー…』 「勿論、交換条件付きっっ!」 『教えてあげましょう。』 あたしは英語が得意で。 切原は英語が苦手で。 切原は国語が得意で。 あたしは国語が苦手で。 ほら、利害が一致する。 ってことで、あたしは切原に英語を。切原はあたしに国語を。 持ちつ持たれつの関係だ。(昨日、国語で習った) 「なー、次はー?」 『あー、これは、』 英語の時間-赤也- (国語の時間は好き。 だって、君が俺を頼ってくれるから) |