「なー知ってるか?」 『知らない』 “つれねぇなぁ”と丸井は言って、“今日の家庭科はやっぱり調理実習だぜ”とワクワクした様子で言った。 あー…丸井って食べ物大好きだもんね。 「でさ、」 『……うん』 「俺に何か作らねぇ?」 『え、何で。』 ぷくぅ、とガムを膨らませて。“朝から部活があって腹減ったんだぜぃ?”と膨らませたガムを割って、丸井は答えた。 今、目の前でガムを食べている奴が何を言うか。 どうせ、その鞄の中にはお菓子がいっぱい詰め込まれているくせに。 『断ったら?』 「頷くまで頼む!」 屈託無い顔で丸井は笑って。 その笑顔は太陽に似て眩しい。 『他の女の子に頼みなよ…』 「だって、みょうじの作った物の方が旨いだろぃ?」 諦める気は全く無いみたいだね、丸井。 休み時間-ブン太- (君が作ったものだからこそ、 欲しい) |