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明日は土曜日白石



コツコツと白いチョークを右手に持ちながら、教師は漢字を深い緑色の黒板に書き綴る。只今、金曜日の6校時。この時間を終われば土日は休みなのだ。

るんるん気分で薄い橙色の線が引かれた白いノートに黒板の漢字を自分も書く。髑髏って漢字、画数が多いからめんどくさいんだよね、有り得ない。ってか、髑髏って漢字は中学校で習うものなのか。




『あ、間違った。』




しまった。骨の部分の月の線を一本多く書いてしまった。さっきのるんるん気分がどんどん薄れていくような気がしてならない。

ごそごそと水色と青の水玉模様の自分の筆箱の中から消しゴムを探す。………ない。何でないの? あれ、さっきまであったのに? ミステリーですか。ったく、迷惑なことだ。きっとさっきの移動教室の時に落としたんだろう、多分。




『…最悪…』

「なんやみょうじ、あんま綺麗やない顔が苛々に歪んでるで」

『遠回しに不細工って言いたいのか白石』




不機嫌な口調で隣の席の白石を毒づいても、毒手の白石には効かないらしい。笑って、ああ、通じたん?と言われた。忍足が悪魔だとか言ってたのを思い出す。何となく分かったよ、忍足。あの時は否定してごめん。理由が分かったよ。




「で、どないしたん?」

『消しゴム無くした。』

「予備は?」

『今日に限ってお家でお休み中だよ。』




ふーん。白石は隣の空を仰ぎながらもう一度私に目を向けた。流し目ですか白石君。




「ん。」

『…何?』

「俺優しいから貸したる」

『…うっわーちょーやさしー』

「棒読みやなぁ」




白石いわく棒読みで言ったちょーやさしー白石はきっちりとケースをはめた消しゴムを私の手の中にほい、と置いた。ん、さんきゅと言いながら薄い橙色の線が引かれた白いノートに書かれた骨を消す。少し黒の混じった白の消しカスが机の上に散らばった。




『ありがと』

「なあ、みょうじ」

『んー、なにー?』

「部活見に来ぃひん?」

『それは無理。』




それからは消しゴムを貸した恩だとか言って白石はあの女子達が群がるテニスコートに私を連れていこうと何度も何度も言った。1回だけ行ったことあるけど、ユウジの幼なじみってだけで破壊光線並の視線を浴びたのだ。もう二度と行くまいと誓ったのは当たり前の行動だし、普通の人は絶対この行動を正解だと言うだろう。その1回だけで白石に気に入られてしまい、この始末。毎日大変だよ。




『今日も風が綺麗だなー』

「空やなくて?」

『風の流れ方が綺麗なの。』

「俺には分からんなぁ…」

『心の綺麗な子しか見えないんだよきっと。』









(なまえー!)
(あ、ユウジ。)
(俺の勇姿見に来たってやー)
(パス)
(来ないと俺が殺さr…いや、命が無くなるんや!)
(それ、どっちも一緒でしょ)




  


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