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年の差が憎たらしい切原



「冬休み」と聞けば、俺は背に羽根が生えたかのように喜んだ。(それって嬉しいだろ?俺だって背中に羽根が生えたら一応嬉しい。)有頂天になる、とはこの事だ。冬休みになれば、勿論学校はない。学校がないと言うことは授業がない。俺の嫌いな英語をやらなくてもいいということだ。大体、単語なんて簡単に覚えられない。schoolだとかlookだとか俺の人生にはいらないんじゃないか?丸井先輩は「これからは国際社会だぜ?英語出来なかったらお前生きてけねぇっての」と俺の髪の毛を引っ張りながら言ってたけど、(痛かったからお返しにあとから丸井先輩のガムを隠してやった。)俺は日本から出て行くつもりは毛頭ないから、そんなの気にしない。英語出来なくても生きて行ける。俺はそう思ってならない。

冬休みの宿題は山ほど出たが、それは問題ない。俺には心強い先輩達がいるのだ。と、言っても間違っても真田副部長だとか、柳先輩、幸村部長には絶対助けを求めちゃいけないな、うん。真田副部長に頼んだら絶対に怒られるだろうし、幸村部長はすっごい綺麗な顔で「赤也?」と微笑みながら俺の名前を呼ぶだろう。その微笑みを見たら石になるって柳先輩が言ってた。あー、怖っ!柳先輩も…スパルタだったし、あの問題集を解くのはもう懲り懲りだ。 頼むなら…、やっぱジャッカル先輩か仁王先輩だな。柳生先輩はグチグチと言うような気がするし、丸井先輩は何か奢らないとぜってー教えてくれねぇし!それに比べてジャッカル先輩は優しいから簡単に教えてくれるし、仁王先輩は基本嫌がるけどちゃんと頼めば教えてくれる。俺ってば、よく考えてみたら意外と良い先輩に恵まれてるな、とつくづく思う。




『赤也』

「あ、なまえ先輩!」

『今帰り?』

「そーっス!」

『偶然だね、私もだよ。』

「じゃあ、一緒に帰りませんか!?」



そう言ってなまえ先輩は『いいよ』と笑って。オレンジと黄色の暖色系のチェックのマフラーを巻き直しながら『行こ、赤也』と俺に声をかけた。

冬休みは好きだけど年を越せば俺が大好きななまえ先輩や最強無敵完全無欠の神の子幸村部長も皇帝真田副部長、参謀柳先輩、紳士の柳生先輩に詐欺師の仁王先輩と妙技師の丸井先輩と苦労人のジャッカル先輩はあっと言う間に卒業してしまうだろう。なまえ先輩とこうして笑い合える日々ももう残り僅か。

ああ、









時が止まればいいのに、


どうして俺はなまえ先輩達と一緒の歳に生まれてこなかったんだろう





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