あたたかな(骸髑)
ソファーで一緒に本を読んでいたら隣にいるクロームがうつらうつらし始めた。
かくん、と頭が落ちたかと思うと、ぷるぷる頭を振って目を覚ます。
しかししばらくするとまた、ゆらゆら。
僕はぱたん、と本を閉じて、前にある机に置いた。
「クローム」
「はい……?」
彼女は瞼の落ちかけた瞳でこちらを見る。
なんとなく焦点も合っていない。
「眠そうですね」
「いえ……」
眠気を覚まそうと目をこするクローム。僕はその手をやんわり止めて、
「膝まくらしてあげましょう」
クロームの読んでいた本を取り上げて、栞を挟んで僕の本の隣に置いた。
「どうぞ」
一瞬ためらう素振りを見せたが、
眠気に負けたのか、思考がうまく働いていないのか、
こてん、と素直に横になるクローム。
もぞもぞ寝心地のいい格好を探して、落ち着いたときにはもう意識はほとんど夢の中のようだ。
膝の上の小さな頭。顔にかかる髪をはらって、そっとクロームの頬を撫でると、甘えたように擦り寄ってきた。
その様子に、知らず頬がゆるむ。この少女が愛おしい。
ああ、僕はいつの間に、愛しいなんて感情を覚えたのだろう。
クロームに出会って僕はずいぶん変わった。
すやすや微かな寝息。起こさないように小さな手の平をとって、
僕はぬくもりを確かめた。
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甘いものが書きたくなりました。
途中まですいすい書けたのにオチだけがなかなか浮かばず;結局微妙になってしまいました。
甘いのは大好きなのに自己生産はできない……。
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