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n.short
恋するだけで生きられる (サスケ)

『お前みたいな馬鹿は、忍には向いていない。成績上位でそのザマか。笑わせるな。辞めちまえ』













「おまえ、なんであんな俺様な奴が好きなんだってばよ?」

「馬鹿。女はみんなあーゆー奴が好きなんだって」

「ユメも例外じゃなくってことだね」


隣の席のシカマルの席にナルト達が集まって来て、ふと思い出したようにナルトが私に問い掛けた。
『なんで?』
どう答えようかと言葉を探してるうちにシカマル達が勝手なことを言い始める。


「つーか、おまえわかりやすいよなー」

「他の女の子みたいにサスケくん!ってハート飛ばさないけど、サスケの前だと真っ赤でカチカチだよね」

「そーそー。スゲー面白ぇ。
頭いいのにあいつの前だと馬鹿だよな。大失敗するし」

「いや、ナルトにだけは言われたくないだろうよ」

「うっせってばよ!」

「まーでも、ナルトの言ってんのも確かだぜ?
お前が好きなのは別に良いけどよ、昨日なんかサスケの奴、お前が思いっきり木から落ちた時笑ってたぜ?」

「シカマルはシカマルで溜め息ついてただろ。ちなみに俺も笑った。ごめん。マジで面白かった」


本当、ナルトもキバも、こいつらはいつも勝手なこと言ってうるさい。でも、嫌いじゃない。


「あれじゃあ、ユメの気持ち、サスケもわかっちゃってるんじゃない?」


なんだかんだで、優しい奴らだから。


「いいの。
ナルト、『なんで?』って聞いたよね?
私がサスケを好きなのはね。‥物好きだから」

「は?」

「物好き?みんな女子はサスケが好きなんじゃねーの?」

「物好きなの。
好きな人に、気持ちバレてて嘲笑われても、それでも、私はサスケが好きなんだから」

「あいつが性格悪いって知っててってことか?」

「うん。
性格悪いし、私サスケに馬鹿にされてるのも知ってるし、みんなのアイドルなのも知ってるし、実際はみんなが憧れるような素敵な人でもないのも知ってる。
敢えて言えば、私の想いが通じるわけがないってことも、知ってるかな」

「わかんねーってばよ。
なんでそんだけ知っててあんな奴好きなわけ?」

「あの人が、寂しい人だって、
気付いてしまったから」


そう答えると、ナルトとキバは「なんだそれ?意味不明!」と終いには笑い出し、シカマルは「めんどくせぇ」と溜め息をついた。
「面倒臭いのが、恋じゃない?」
と笑って返せば、珍しく「‥そうかもな」とシカマルは笑った。
チョウジはというと、少し寂しそうな顔をした後、「食べる?」と自分が食べているポテチを勧めてくれた。

報われない恋でも、へこたれないでいられるのは、こうして心配してくれる友達がいるから。
私は、それをあの人に知ってもらいたいの。


辛くてちょっと苦手なはずのキムチ味のポテチが。なぜだか今まで食べたどんなポテチより美味しいと思った。





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あきゅろす。
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