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n.short
明けましておめでとう (ナルト)
最強ツンデレ番外。





大みそか。元旦。

オレは大嫌いだった。


やっとできた友達は皆、家族とともに過ごす日で。
火影のじいちゃんが気を使って呼んでくれても、やっぱり家族だけで過ごすべきだって思って断ってきた。

年が明ける瞬間。
オレは毎年独りでその瞬間を迎えたくなくて、無理矢理布団に潜っていたんだ。


だけど。


「サスケ遅ェぞ!」

「聞こえてる。怒鳴るなウスラトンカチ」


今年は独りじゃなかった。


「早く早く!そんなチンタラしてっと年明けちまうってばよ!」

「うるせーな」


独り。きっとこいつも独りで新しい年を迎えるって気付いて。
どかどかと家に押しかけた。

だけど、2人でテレビ観てても結局ケンカするだけで、除夜の鐘と年越し、ついでに初詣も済ましちまえとサスケを引っ張り家を出た。





「寒い寒い寒い寒い寒い」

「冬だからな」

「寒い!ネジ!
だから外出たくなかったのに」

「‥‥しょうがないな、俺のマフラー貸してやる」

「え、ネジさん。私もマフラーしてますけど」

「それでも寒いんだろう?‥ほら」

「ちょっ‥うぉっ‥これじゃミイラってか毛玉になる!」

「なかなか似合うぞ」

「こら!ネジ!見えないから!
私は白眼じゃないのよ!」

「俺は見えてるから大丈夫だ」

俺が連れてってやる、なーんて言いながら向こうから歩いてきた男女2人。

「‥‥‥ナルト、アイツ確か‥」

「ネジじゃねーか。にしし、カノジョか?」

マフラーぐるぐる巻きで顔見えねーけ‥‥ん?‥んんん?
ラブラブだな、あのバカップル‥って騙されるかァ!
あーもー!なんだアイツ!


「やいやいやい!こら!お前ら!」

ん?ナルト?とかぐるぐる巻きの下から声が聞こえた。

もー!
頭にきてネジのだと思われるマフラーをユメから引っぱがす。

「何2人でいちゃつきながら歩いてんだってばよ!」

「ふん、そう見えたか?」

すっげー腹立つ顔でネジが聞いてきやがった。
こいつ!確信犯だってばよ!

「ユメ!
なんでネジと一緒にいんだ!
お前ってば、オレと付き合ってんじゃなかったのかよ!?」

浮気だろ!?

「こっちのが聞きたいわよ」

はぁぁぁ!?
ユメは機嫌悪そうにオレに言ってあさっての方向見てやがる。
それに気を良くして鼻で笑ったのはネジだった。

「ユメが今朝任務から帰ってきて、君に今日の予定を聞いた時、サスケ君と年越しだと言ったのは君だろ?しかもすごく楽しみだと。一緒に、と言い出せなかったユメの気持ちも考えろ」

むっかつく。オマエはユメの保護者かっつの!

「だからってなんでお前と2人で年越しになるんだ!」

「ふん、俺達は毎年一緒に新年を迎えている。当たり前だろう」

「はぁ!?‥なんだそれ、聞いてねぇし!」

お前は一体、#name_1##の何なんだ!?

「先程までテレビを観ていたが、ユメがコタツでうとうとし始めたんでな。もうすぐ年も明けるし、と外に連れ出したんだ」

得意げに話しだすネジ。ユメの彼氏はオレだし、オレこいつに中忍試験で勝ってんのに!
もっとボコボコにぶっ飛ばしてやればよかったってばよ!

「おま‥‥!」

「ねぇ、行くの?行かないの?」

どーでもいいけど、とか言って割って入ってきたのは、当事者のはずのユメ。私関係ないし。って顔に出てやがるが、今までのは全部お前のハナシだ!と言ってやりたい!

「‥俺は帰るぞ。馬鹿馬鹿しい」

「ちょっ‥待てよサスケ!」

「じゃあ私もー」

「待てユメ!」


「だいたい、この寒いのに外なんか出てられっかよウスラトンカチ」

「ほんとほんと」

「修行でもねーのに」
「修行なら話は別だけど」

「‥‥‥‥」
「‥‥‥‥」

あ。と思った瞬間、今まで全くお互い見もしなかったサスケとユメが目を合わせた。

「あなた、‥サスケだっけ?」

「うちはサスケだ」

「私、眠夜ユメ」

「‥知ってる。中忍だろ?」

「うん、よろしく」

「ああ」


‥なんで?

サスケとユメが意気投合?まじで?
‥いやいや、ありえねーってば。

オレもネジも、すげえアホは顔してたと思う。
2人とも、しばらく動けなかったから。


「寒いわね。まだナルトとネジ仲良く話してるっぽいし、うち寄ってく?そこだから」

「‥良いのか?」

「お茶くらい出すよ」


じゃあね、私とサスケ先帰ってるから。初詣行ってらっしゃい、2人とも。‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥じゃねーよ!


「「ちょっと待て!!!」」


オレとネジが駆け出したのは同時だった。




(おい、ネジ。あの女ちょっとどーにかしてくれってばよ!)

(それができるのなら、もうなんとかしている!)



その後なんとか4人で初詣に行って、ユメの家のコタツでみかんを食べてお茶を飲んだ。
解散してゆっくり寝たら、またユメの家に集まって持ち寄りのおせちを食べようと約束して帰途へつく。

ちなみに、楽しみにしてたカウントダウンだが、オレ達が道端で散々騒いでる間に年は越えてしまっていた。



***

好きな子が同じコタツで寝始めるのにはさすがに焦っちゃったネジさん(笑)
へたれですが、ナルトに負けてるとも思ってない感じ。


2010年元旦。
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あきゅろす。
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