[携帯モード] [URL送信]

r.short
矛盾した愛を最後に (リボーン)
「俺にはもう忠誠を誓った相手がいる」

「それは、ボンゴレファミリー?」

「そんなわけあるか。ボンゴレはただの居場所の一つに過ぎねぇ」

「じゃあ、綱吉くんでもない?」

「違うな」

「なら、私にはわからないけど、アルコバレーノって呼ばれる限り、あなたは自由になれないの?」

「それはまぁ近いぞ。
俺は、運命に忠誠を誓った。この、俺の運命に、だ」

「運命の女神にでも惚れたっていうの?
趣味悪いわ」

「そうか?」

「だって、そんな気まぐれな女なんて‥」

「いい女だろ?」

「私は、悔しいわ」




自分には運命の女神がいるから。そう貴方は言った。
本命は、自分の運命。だから愛人しか作らない、って。言ったよね。

ずっと何人もの女性にふらふらとしていて、捕まえることなんか無理な人だった。

その代わり。私が彼を想い続ける限り、必ずふらふらと私のもとにも現れた。

悔しいって言ったけど。
本当は不満じゃなかった。
愛人だって良かったのよ。

運命の女神なんかに敵うはずがないことはわかってたもの。
誰もが負けるわ。

私が貴方を想って、貴方は私を時々思い出して来てくれさえすれば、それで良かった。




「婚約することになった」

ボンゴレに、貴方に有益な、婚約。
もっと聞き質すかと思った、って言われたけど、
そんな必要なかったもの。

それは本気なの?とか、そこに愛はあるの?とか。
おめでとう、とか。
私は全然思いつかなかったんだから。

ライバルは女神だった。
今更人間の女に嫉妬なんかしないわ。

ただ、貴方は遠いなと思った。


「私、引っ越すの」

「どこに?」

「どこかはまだ決めてないわ。でも、きっともう貴方とは会えないと思う」

「婚約のこと、か?」

「貴方のことだから、婚約したって愛人とは切れないでしょう?
婚約者がいても、本命は運命の女神さま。
婚約したって結婚するかも怪しいわ」

「そうだろうな。なら何故引っ越す?お前と俺の関係はこれからも変わらないんだぞ」

「自分でも、理解できないの。
ただ、今だと思ったから。神様が囁いたのよ、きっと」

「お前は、俺を愛してるくせに、離れたいって言うんだな?」

「そう。愛してるわ、リボーン。だけど、さよなら」







[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!