幼帯③
「ますたぁこれ似合うと思うよ。」
洋服コーナーから帯人が持ち出したのはレースがヒラヒラと大量についたミニスカート…
うん、ちょっと無理かな。
「帯人、それじゃ帯人とお揃いの見つからないと思うんだけど…。」
さすがにレースがヒラヒラついた服を男の子の帯人には着せられない。
まぁ、可愛いとは思うけど…
「あｯ…そっか。今日はおそろいの買うから、ますたぁのみにすか姿はがまんだね!」
残念そうにミニスカートを戻しにいく帯人。
…ん？今この子なんて言った？
いや、きっと気のせい気のせい。
気を取り直して服探し。
「あ、あれなんてどうかな？」
姫が手にしたのは綺麗な濃い紫色のパーカー
デザインもいたってシンプルだ。
「これなら子供サイズも大人サイズもあるしお揃いになるよ？どうかな？」
パーカーをじぃっと見つめる帯人は嬉しそうに大きく頷いた。
「うん!えへへ、ますたぁとおそろい!」
嬉しそうにパーカーを握り締める帯人
こうしてると普通に可愛いんだけどなぁ…
うん、この子から凶器を遠ざけよう。
「えへへ～!ますたぁとおそろい～!」
それから、お揃いのジーパンとマフラーを買って店を出た。
「帯人、お揃いがいっぱいだね!」
嬉しそうに買ったものが入った袋を見つめる帯人に姫は微笑みかけた。
「うん!!ますたぁありがと!」
手を握りながら帯人と帰り道を歩いていると…
「お!姫じゃねぇか？」
あ、アカイト…
「久し振り!偶然だね!」
偶然通り掛かった赤色の男とますたぁがお話ししてる…
ますたぁ…
先程までご機嫌だったのに一気に機嫌が悪くなる帯人。
「そうだなｯ!おｯ…なんだよたっくん、そんな不機嫌そうな顔して!」
グリグリと帯人の頭を撫でるアカイト
「………。」
ｼﾞﾛﾘと睨み付けるがアカイトには効果ナシ!
「ふふっ、2人は仲が良いんだね。」
ｸｽｸｽと笑うますたぁ。
違うんだよますたぁ、勘違いだよますたぁ。
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