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連載E(青.帯)


気持ちのいい朝

  目を開けると


     そこには…

「マスター。おはようございます。」



黒髪の美男

もとい、帯人の顔のどあっぷ


「きゃっ…!?た、帯人君??おは…よ?」



姫は軽く悲鳴をあげながらも自分の状況を理解してなんとか挨拶をしてみた



「…た、帯人君?」



「はい。」




「近いです…。」




姫が悲鳴をあげた理由のひとつ、帯人は彼女にかなり顔を近付けて声を掛けてきたからだ。

そして


それは現在進行形で…

かなり近いです。




「気のせいだよ、マスター。」




いや、笑顔で無理矢理なこじつけしないで…



「あ、おはようのキスまだだよ。はやくしよ?」




……………。


「いやいやいや!何故ですか!おはようの挨拶にどう考えてもキスはいらないよね?」



「え…マスター俺とキスするの嫌?」


私のツッコミもスルーされ、潤んだ瞳で私をみる帯人君。

ダメだ…この瞳をみたら負けな気がする…



そろーっと目を逸らそうとすると

「い゛た゛ッ!!」


ゴキッと音がなりそうなくらい私の首を自分のほうに向けさせた(泣)

痛すぎる。私の首を折る気だよね。
さすがはヤンデロイド…
その細腕のどっからそんなパワーがでるの!


腰なんか…帯人の腰なんか!!女の子の私より細くて綺麗なんだよこんちくしょう!!



「マスター…キスしよ?」


綺麗に整った顔がどんどん近づいてきて…

逃げれなくなってギュッと目を閉じたら…


−バンッ

「こらっ!変態ボカロ!!人の妹に朝っぱらから何しやがんだ!!」



「お兄ちゃん!!」


「チッ…」




お兄ちゃんが登場しました。後ろからはカイト君も…


間違いなく聞き耳を立ててたね、助かったけど…



「あッ…てめぇ!チッってなんだよ!こんにゃろー!」



「うるさいなぁ、マスターとのキス邪魔しないでよ。つか、俺のマスターは姫だけだし。兄貴のほうは命令しないで。」


「てめぇー!なんで同じKAITOから生まれたのにこうも偉そうなんだよー!!」


バタバタと逃げ回る帯人君をお兄ちゃんが追いかけ回す光景を眺めながら私はカイト君の隣まで歩いていった。


「カイト君、カイト君。」


ツンツンとカイトの肩をつつく姫。

「なんですか?マスター姫?」



きょとりと振り返りながらカイトは反応する。


「朝ごはん…食べに行こうか。」


「そうですね、お腹も空きましたし。なにか作りましょうか?」


「うん、じゃあ一緒に作りに行こうか!二人ならはやく作れるし。」


のほほんとした会話をしながら姫とカイトは台所へとむかった。




「あ、マスター…!!置いて行かないで!!」


「ちょっ、おまえら俺を無視すんじゃねぇ!!」


その後ろを帯人と王子が慌てて追い掛けて行きましたとさ。





姫としては

「最近、朝が賑やかになって楽しい」

そうです。




END

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あきゅろす。
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