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連載D(青.黒)
《妹視点》



「キャー!!?」


「どうしたんだ姫ッ!?」

「マスター姫ッ!何かあったんですか!?」

私の悲鳴に駆け付けたお兄ちゃんとカイト君の目に入ったのは…

「君達、誰?僕のマスターの何なの?」

私の上に覆い被さってる黒髪のカイト君もとい、亜種の帯人君。


何故こんな状態になってしまったのかというと…

それは1時間程前にさかのぼります。



お兄ちゃんにカイト君を独り占めされて拗ねた私は、自分の部屋のパソコンに《KAITO》をインストールしようとしたことから始まった…


【1時間前】


「もうッ…、お兄ちゃんてば平等って言っときながら…」


グチりながらも私は自分のパソコンの前に座った。


「もっかいカイト君出てきたりしないのかな?カイト君てば、お兄ちゃんばっか構って私の事構ってくれないし〜。」


そんな邪な気持ちで《KAITO》インストールしてると。


―エラーが発生しました―

画面に大量のエラーの文字とエラー音

「んぁ?!ちょっ、どうしよッ!!お兄ちゃ…は呼べないし、んー。」



我ながら意地っ張りだなぁ〜…。


どうしよ。機械とか壊したらいつもお兄ちゃんに治して貰ってたしな…。


「よしっ、自分でなんとかしてやるんだから!!」



カタカタカタ…


「よしっ、なんとか持ち直せたかな?」



そのままインストールしていくと…



何故かパソコンの画面に黒髪の青年が映った…

青年はこころなしか自分を見つめているようにも見えた。

「カイト君?あれ?でも色が…」


《…あ…なた…が……僕…の…マス…ター?》

ノイズ混じりの声がスピーカーからカイトと比べると少々低い声が聞こえてくる


「ん…多分、そうだと思うけど…。貴方は?」


《僕は…一応…KAITOです…》

青年は柔らかく微笑みながら私を見つめてくる

「一応?なんで?」


《こんな色ですし…》

青年は黒と紫色の服と真っ黒い髪を指差して苦笑いした

「あッ…ごめんっ!私がちゃんとエラー直せなかったからッ…」
ガンッ!!

申し訳なくって勢いよく頭を下げたらパソコン画面に頭をぶつけてしまった。


「痛ッ…あッ…大丈夫だった?ごめんッ!」


《プッ…い…え、大丈…夫ですよ。マス…ターこそ大…丈夫ですか?危なっかしい方ですね…。いま、そち…らにいきま…すね。》


え?今なんて…?


パソコンからピカッと光が差し込むといつの間にか自分の上に跨がる黒髪のKAITO君…

ん、黒髪って事は…帯人君かな?服も黒だし瞳も紫だし…


って、あれ…この体制って…



「キャーッ!!!」


「あぁッ…ごめんなさいマスター!」




―――――――

そして冒頭に戻る。



「って事なんです、叫んで大騒ぎしてごめんなさい!お兄ちゃん達!」

黒髪のKAITOを自分の上から退かせて
とりあえず説明し終えた姫は謝った

「いや、別にいいけどよ…そいつどうするよ?」

お兄ちゃんが言う"そいつ"ってのは多分、帯人カラーの彼の事だろう


「一緒に…住んじゃ駄目かな?」


「いや…うーん…。駄目じゃねぇけど…家事とかしんどくなるのお前だぜ?」

「うん!大丈夫!」

「よし、じゃあOKだ!」


「やったぁ!よかったね!帯人君!!」

兄から許可を貰えた私は嬉しくなって彼に抱き着いた


「帯人…?」

「うん!貴方のお名前♪ちなみに、私の名前は姫だからね!」

「僕の…名前…。ありがとう…マスター///」

帯人は姫の言葉に嬉しそうに微笑んだ



「えーっと、俺は姫の兄貴の王子だ!よろしくな!帯人!」
「俺はカイトです、よろしく帯人。」


「ん。よろしく、王子、カイト。」


挨拶も終りなんとか一段落ついたかな…と姫が思った矢先に…


「あッ…お前ッ…姫の事はマスターって呼ぶくせに俺は速攻呼び捨てかよ!」

「だって僕のマスターは姫だけだし。」

帯人と王子が喧嘩をし始めた


騒ぎ始める2人を見て、カイトと姫はクスッと笑いながらお互いの顔を見合わせた





END



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