連載@
「るんるん〜♪」
鼻歌交じりに手にさげたコンビニ袋をブンブン振り回す少女がいた。
「ったく、道端で歌唄うなよな、恥ずかしい。」
その少女の隣りを呆れた表情で見る青年。
2人は兄妹であった。
「だって、この間買った《KAITO》が届くの今日なんだよ!テンション上がっちゃうよ!」
「まぁ、それはわかるけどよ。姫、お前俺より先に《KAITO》使って曲作る気、満々だろ。俺が先に作るんだから邪魔すんなよな。」
「えー!狡いよお兄ちゃん!私だって《KAITO》に曲作ってあげたい!」
「駄目だ、お前、パソコン全然使えねぇだろ。」
「うー。使えるもん!お兄ちゃんと比べるのが間違ってるもん!」
機械を弄るのが得意な王子と比べて姫はごく一般的にインターネットをみたりするぐらいしか出来なかった。
「はいはい。ほら、うだうだ言ってないでサッサと家入って飯喰おうぜ。腹減っちまった。」
喧嘩しながらも家につけば2人とも何時も通りの仲良し兄妹。
「うん。しょーがないなぁ、何作る?」
「オムライス、辛くすんなよ?」
「流石に私でもオムライスは辛く出来ないよ(笑)ほんと、お兄ちゃんてば辛いの苦手だよね。味覚が子供♪」
「うるせぇ!」
照れて真っ赤になる王子。
両親が海外で暮らしているため基本的に家事は姫が主にやっていた。
少し変わってはいるがごく平凡な兄妹。
ピンポーン
「宅配便でーす。」
「お兄ちゃんみてきて!」
「はいよ。」
2人は知らない。平凡な日常が今日から変わってしまうことを…
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