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短編集・読み切り



「岡本ってさぁ、なんで高取以外の奴にヤ

 ラせてんの?

 高取がご主人様なんだとしても、今はい

 ないじゃん? 

 それなのにヤラせるってことは、高取の

 チ●ポだけじゃ足りない変態ってこと?」

「ち、違うっ」


 体はされるがままなのに、声だけは悲鳴

ようにオレの言葉を否定する。

 高取の名前を出した時点で縁の締め付け

が強くなったくらいだから高取がご主人様

だというのは間違いないのだろうけど、岡

本は肝心の理由を説明する気はないようだ。


「嫌ならヤらせなきゃいいのに。

 まともに抵抗もしないで嫌だって言うだ

 けじゃ誰もやめないって。

 それともこの悪戯書きしてるのが高取だ

 からなんて言わないよね?

 これはただの落書きだし、それ以上の意

 味なんてない」


 尻の落書きの上を指先でなぞると、それ

だけで岡本の縁が痛い位に締め付けてきた。

 まさかとは思うけど、そんなことで今ま

で他人に好き放題ヤラせていたというのか。


「へぇ…岡本ってたったそれだけでヤラれ

 まくっても文句言わないんだ?

 どうやって調教すればそこまで人間のプ

 ライド捨てられるんだろ。

 高取に聞いてみたくなってきたよ」


 締め付けが緩んだ隙をついて中を大胆に

掻き回す。

 奥から流れてきたものが指で拡げた縁か

ら零れ落ちる。

 高取は岡本がこうなることを知っている。

 知っていて、決して落ちないインクで落

書きを繰り返しているのだ。

 完全に手の内に陥落している岡本を見知

らぬ誰かに犯させて、それでも岡本の中で

自分の地位は揺るがないと自負している。

 岡本も高取のチ●ポを受け入れた瞬間、

全身で歓喜して締め付けるのだろう。
 
 それは高取の存在が特別だとお互いに理

解していなければできない芸当のように思

えた。


 あぁ、やっぱり岡本の中では高取だけが

特別で、その他は“その他大勢”なのか。

 そして高取が命令する限り、あるいは目

の前にいなくても落書きを続ける限り、岡

本は誰にでも体を開く。

 それが自分は高取のものだという無言の

証明だから。


 そう理解した途端、頭の中に渦巻いてい

た黒い感情が引いていく。

 岡本の体は高取が独占してしまうまでは

不特定多数のものだ。

 だからその体を使って暗い欲求を満たし

ていても気にすることはない。

 岡本も高取も他人を介することで互いの

欲求を満たしているのだから。


「ねぇ、やっぱり一番突っ込んでもらって

 気持ちいいのって高取?

 それともブツと気持ちは違うの?」

「あっ…高取君のが、いい」


 緩く首を横に振る岡本の穴がキュウキュ

ウと締め付けてくる。

 先ほどからの締め付けと違い、高取の名

前を出すだけで柔らかく、しかし指の付け

根の方から搾り取るような蠢きに変わった

のはさすが岡本というか、従順な性●隷そ

のものだ。

 オレが名前を出しただけでこれなのだか

ら、高取本人がここに突っ込んだら岡本は

長くはもたないだろうと思う。

 それこそ早漏とからかっている島崎など

比ではないかもしれない。





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あきゅろす。
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