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短編集・読み切り



「ぁっ…。はぁ、はぁっ…」


 今しがた放ったばかりだというのに、目

の前に高取の気配を感じ触れてもらえる喜

びに打ち震える岡本の股間は白濁に濡れな

がらもっと欲しいと揺れる。

 それを見て馬鹿二人でさえもかける言葉

を失ったようだ。

 今まで高取が目の前で岡本を犯すのを見

たことがないからと陰で高取を馬鹿にする

ような口を叩いていたが、これでもうそれ

もなくなるだろう。

 高取がオレ達の目の前で手を出さないの

も、一番最後でいいと真っ先に宣言してし

まうのも、身体的なコンプレックスがある

からでも岡本をイかせられないからでもな

い。

 おそらくは高取が手を出してしまうと岡

本の気がそちらにばかり向いてしまうから

だ。

 高取に触れてもらえるだけで放ってしま

う岡本ならば、高取が構うだけでイキまく

ってしまうだろう。

 だから高取はいつだって犯されている岡

本を眺めるだけだった。

 耐えたご褒美として高取が触れてくれる

からこそ、岡本も高取の見ている前で体を

開いた。

 それはもはや疑う余地もない事実だった。


「次にコイツに突っ込みたい奴はどいつだ」


 牙を剥いたような高取の声が響く。

 その場にいたメンツをぐるりと見回した

高取の視線は刺すように鋭いが、これだけ

ハッキリと見せつけられてそれでも名乗り

出る者などこの場にはいなかった。

 ようやく高取の直視から逃れた島崎が未

だに体を高ぶらせたままの岡本の腰をゆっ

くりと持ち上げて、生々しく精●を垂らす

その穴から萎えたチ●ポを抜き取る。

 そこで予鈴が鳴り響いた。

 ただでさえ不機嫌だった高取はもうその

場にいるのも嫌になったらしく、予鈴が鳴

り終わる前に教室を出ていく。

 それに続いて成り行きを見守っていただ

けのメンツどころか岡本を縛り上げた馬鹿

二人まで教室を出ていってしまった。

 次に顔見たら詰ってやる。

 苛立ちと共に胸に誓うと、島崎はようや

く岡本の拘束を解いたところだった。

 このままでは5限目は遅刻決定だが、ど

うせ体育で長距離走を走らされるのだから

このままサボってしまっても構わない。

 
「高取君…」


 机から降りて岡本の目隠しを外すと、よ

うやく視界の戻ってきた岡本が高取の姿を

探す。

 まさか真っ先にここを出ていったとも言

えずに放心状態の岡本に言うべき言葉を探

しあぐねていると、これ以上中に放ったも

のが流れ出さないようにとティッシュで栓

をした島崎が口を開く。


「その…悪かったよ、岡本。

 次の授業、多分出られないだろ。

 代返しといてやるから」


 先週の体育の授業も長距離走だったのだ

が、人一倍運動の苦手な岡本はクラスメイ

トに笑われたり体育教師にからかわれたり

とさんざんな目に遭っていた。

 今日とてセックスの直後だし、何より媚

薬入りのローションを使われた挙句に中途

半端で放り出された体は高取を求めて未だ

熱が冷めない。

 こんな体で長距離走は無理だろう。


「どうせ今日だって長距離走だろ。

 その体じゃ、まともに走れないだろうし。

 ちょうどよかったと思えよ。な?」


 気休めにもならないかもしれないが、あ

えて明るい声で岡本を慰める。

 島崎のバカには後で鉄拳をお見舞いする

にしても、岡本にこれ以上無理はさせられ

ない。





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