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短編集・読み切り



「高取ってさぁ、なんでいつも岡本に突っ

 込まないんだと思う?」


 次の二人に犯される岡本を眺める高取と

は距離があるから、彼の耳には届かないだ

ろうと思いながら島崎に話を振ってみる。


「うん?

 高取って放課後に岡本呼び出して色々さ

 せてんだろ?

 その時にヤッてるから充分なんじゃない

 か?」


 確かに高取からそういう話はよく聞く。

 聞くけれども…。


「でもなんか、ヤルにしても一番最後っぽ

 いよね。

 それまであぁやって黙って見てそう」

「それは言えてるかも。

 一番最初に突っ込んだ方が絶対に気持ち

 いいのになぁ」


 本人に聞こえぬところで小さな笑い声を

交わす。

 風呂でもなんでも一番派の島崎は、一番

最後でいいと真っ先に宣言してしまう高取

の考えが理解できないらしい。

 それに関してはオレも同意見で、他人が

使った後の穴になんか突っ込みたくない。

 それとも一度体を洗わせて仕切り直して

いたりするんだろうか。


「それにしても岡本も岡本だよ。

 よくこんなに突っ込まれててイかないよ

 なぁ」

「…それって自分にテクがないの棚上げし

 てない?」


 今も前から後ろから揺さぶられている岡

本はチ●ポを勃たせたままだがそれが精●

を放つ気配はみせない。

 だが女じゃあるまいし、突っ込まれただ

けでイケると思ってるのかと問いたい。

 お前だって同じ男だろうとも。


「て、テクってなんだよっ。

 俺はちゃんとっ…」

「ちゃんと?」

「うっ…」


 重ねて問われ、ようやく自分がローショ

ンで濡らしているだけだということに気づ

いたらしい。

 愛撫らしい愛撫なんてしたことがない。

 どうすれば岡本が気持ちいいかなんて考

えたこともない。

 それでどうして岡本をイかせられると思

うのか。

 ちょっと島崎は頭の中身が足りていない

んじゃないかと疑いたくなった。


「気になるなら高取にコツ聞けばいいんじ

 ゃない?

 でもまぁ“岡本の”なんて言っちゃった

 らシメられそうだけど」

「こっ、怖くてできるわけないだろ、そん

 なことっ!」


 ビビりな島崎は想像しただけで青くなり、

とんでもないと首を横に振っている。

 “そんなだからダメなんだろ”と心の中

で思ったことは、口に出すのをやめておい

た。





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